減量失敗も…現役大学院生ボクサー坂本真宏が初防衛

6回KO勝利で初防衛に成功した坂本真宏
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 「デイリー後援・ボクシング・WBOアジア太平洋フライ級タイトルマッチ」(1日、住吉区民センター)

 王者の坂本真宏(27)=六島=が挑戦者で同級3位ウィチャー・プーライカオ(36)=タイ=に6回1分36秒KO勝ちで初防衛に成功した。

 「最初は自分でも分かるくらい固くなっていた」と重圧を背負ったままリングに上がった坂本だったが、初回にいきなりダウンを奪うと「一息つけた」と勢いに乗った。左ジャブを的確に命中させ主導権を握り、5回には強烈な右ボディーを突き刺すと、71戦のキャリアを誇り、ミニマム級で2度世界王座に挑戦したベテランも立ち上がることはできなかった。危なげなくベルトを守ったように見えた坂本だが、「武市トレーナーからは100点満点で5点と言われた。期待されているとプラスに考えたい」と苦笑いするしかなかった。

 陣営の激辛採点には理由があった。大切な初防衛戦で体重調整に失敗。計量前日の3月30日にはリミットまで1・6キロを残す大幅な体重超過だったという。そこからスーパー銭湯とジムのサウナで眠らずに汗を出し、計量当日の3月31日朝5時の時点でリミットから200グラムオーバーまで絞り、あとは代謝で何とか計量をクリアするという“一夜漬け”減量だった。あわや“ネリの再来”となる危機を土壇場で回避。「チャンピオンとしての自覚が足りなかった。次からはしっかりやります」と反省しきりだった。

 大阪市立大工学部の現役大学院生で、「チタニアナノチューブの窒化」などを研究する。内定していた会社への就職を辞退し、大学院の卒業も1年先延ばしした。「在学中に世界を取りたい。お世話になっているので大学にも恩返ししたい」と、世界王者への思いに偽りはない。

 16年11月には現WBO世界フライ級王者の木村翔(青木)とWBOアジア太平洋同級王座決定戦を行い、0-2の判定でプロ初黒星を喫した。標的はその木村が腰に巻くベルト。所属ジムの枝川孝会長は「実力をもう少し伸ばさないと。スカッと倒してくれないと、木村には勝たれへん」と厳しかったが、年内の世界戦実現に向けて手を尽くすつもりだ。“二足のわらじ”を履く大学院生ボクサー坂本が勝負の1年を迎えた。

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