亀田興毅、山中引退に「1つの時代終わった」井上勝利も予言【インタビュー2】

 現役復帰宣言をしている元ボクシング世界3階級王者の亀田興毅氏(31)がデイリースポーツの取材に現在の心境を語った。5月の開催を予定し、バンタム級(53・5キロ以下)での公式戦を目指す中、ネットテレビ「AbemaTV」の密着番組「ラスト亀田興毅~最後の現役復帰」も3月31日(後11・00)から始まる。バンタム級では連続防衛12回の山中慎介が引退を表明するなど時代が動いているが、ボクシング界についての思いも打ち明けた。

 -山中選手が引退を表明したが、どう見ていたか。

 「人間、始まりがあれば終わりがあるんで、いつかは引退していくものじゃないですか。それについては別に特にどうということはないけど、1つの時代が終わったなという感じですよね。内山(高志=WBA世界スーパーフェザー級王座を11度防衛)さんにしても、凄い記録を残された選手たちが引退していく。時代を感じるなあという感じです。結果はどうあれ、内容はどうあれ。一人のボクサーが引退していくっていうのは、1つの時代が終わって、次の新しい時代が始まる」

 (続けて)「でも自分の場合、引退したのに、何か、どこか自分の時代が終わってないんですよ。ちょっと復帰するとか言っただけでもこれだけみんなが騒ぐ。出る人間やからうれしいことではあるんですよ。ボクシング界全体を考えたら寂しい話でもあるんですよ。いつまでも亀田の名前が必要かという話なんですよ」

 (続けて)「次の下の新しい選手、いっぱいいてるじゃないですか、強い選手。井上(尚弥)もそうやし、ほかにも強い選手いっぱいてる。そいつらになんでもっと光当たらへんの?もっと光当てたらへんの?まわりは。一生懸命頑張ってるんやから。ボクシングをやってる気持ちってみんな一緒ですよ。自分も含めて。和毅もそうやけど。みんな同じ減量して、リングに上がるわけでしょ。人生かけてる。それをなんでもっと注目せえへんの?ボクシングをこれから良くしていく次の時代じゃないですか。自分たちが変えていかなあかん。立ち上がらなあかん」

 (話題が変わり)「世界戦が毎回あるわけじゃないし、世界戦でもチケットが実売でどこまで売れてるかというと、そこまで売れていないし。そういうところをなんでもっとみんなで本格的に力を入れて変えていこうとしないのか。自分は変えていきたいなと。変える使命があるんじゃないかなと。世界チャンピオンになったぐらいの人間やったら。引退した人たちで(ジムを開設しても)プロは加盟しないとかフィットネスジムをやるとかっていう人多いでしょ。アマチュアジムやっている引退ボクサーが、元世界チャンピオンが多いじゃないですか。この人たちが次を育てていけへんかったらボクシングはもうないじゃないですか」

 -井上選手がWBAバンタム級で世界3階級制覇を狙う。相手のジェイミー・マクドネル(英国)は弟の和毅選手が連敗している。

 「多分、井上が勝つと思いますよ。あの子強いですもん。ボクシングとして。でも、もっともっと注目されないと、それやったら。あれぐらいの選手になったら1試合1億円はファイトマネーを稼がなあかん。井上クラスやったら1試合1億稼がないと。3回やって3回勝って3億。しれてるよそれでも。あれだけの名チャンピオンが3試合で3億。税金持って行かれて1億5000万円しか残らへん。で、負けたら終わり。規模が小さすぎるっていう話なんですよ。その規模を10倍なり100倍なりにもっていかないと」

 -自身の試合を活性化のきっかけに。

 「この1回じゃ全然無理です。自分がTFC(注・東京ファイトクラブの略。今年元日に1回目を行った)っていうボクシング興行をつくったんですよ。4回戦にスポットを当ててやろうと。4回戦の子らにもストーリーがあるわけで。4回戦も世界チャンピオンでもリングに上がる気持ちは一緒なんですよ。この人間たちをうまく出していったらボクシングって下から盛り上がっていくじゃないですか。常に華やかな興行にして、『TFCって楽しいな。おれあそこ出たいな』って言われるような興行づくりをしてやっていけたらいいかなっていう。今自分が置かれた立場でできることは限られるので、できる限りのことをやって、ちょっとずつでも変えていけたらいいなと」

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