大仁田厚 白星で7度目引退…涙「四十何年間、ありがとうよっ!」

引退試合で涙を流す大仁田厚(撮影・山崎力夫)
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 「プロレス・大仁田厚ファイナル」(31日、後楽園ホール)

 大仁田厚(60)の引退試合が行われた。サンダーファイヤーパワーボム合計7発でNOSAWA論外を沈め、7年ぶり7度目の引退を白星で飾った。最後は涙ながらに「四十何年間、ありがとうよっ」と絶叫し、レスラー人生を締めくくった。

 赤コーナーに鷹木信悟、KAI、大仁田、青コーナーに対戦を熱望したアントニオ猪木の弟子である藤田和之とケンドー・カシン、NOSAWAを迎えた。試合は「大仁田厚思い出の聖地・後楽園ホール最期のデスマッチ!!ストリートファイト 有刺鉄線ボード トルネードバンクハウスデスマッチ」と題された。

 名前がアナウンスされるやいなや大仁田はジャケットを藤田に投げつけ、試合開始のゴング。開始早々、藤田と場外乱闘を繰り広げた。

 机上パイルドライバーをNOSAWAに決めた大仁田だったが、その後、有刺鉄線ボードにたたきつけられ、有刺鉄線バットも被弾。さらに、藤田にスリーパーに絡め取られた。地鳴りのような大仁田コールを浴びてこらえた大仁田だったが、苦境は続く。NOSAWAにギターを脳天にたたき込まれた後に、NOSAWAの有刺鉄線バットが目前に迫った。

 ここで、毒霧をNOSAWAに見舞うと、ネックブリーカーをカシンに決めて脱出。タッグパートナーにタッチして窮地は逃れた。この後、有刺鉄線バットを構えた藤田にも毒霧を噴射し、パイプ椅子で場外へ追いやると、リング上で大仁田はNOSAWAを攻めた。

 サンダーファイヤーパワーボムを決める度に、大仁田ファンのボルテージは高まっていく。パイプ椅子の3連撃を挟んでサンダーファイヤー。ボードの断片で痛めつけてからさらにもう一発。確実にダメージを積み重ねてから、ついにこの試合通算7発目のサンダーファイヤーで決着をつけた。

 精魂尽きた大仁田は「すいません。こんな、嘘つきとそしてまた、こんな弱い男にたくさんの応援をありがとうございます。だけど、すいません。一つだけ大仁田のいいところがあります。絶対諦めないこと。絶対に夢を諦めるな。今日は!今日は!今日は!今日は!今日は!今日は!ありがとうよっ」と絶叫して大歓声を浴びた。

 さらに、タイチ君という少年をリングに迎え「次の世代がプロレスを愛してくれればいいと思います。この子にも夢があると思います。あなた方にも夢があるように。タイチの夢をみんなで応援してやってください」と叫ぶと、「空気を読めよ!将来、未来、大人になったら何になりたい」とタイチ君に質問。「プロレス…」という答えを引き出した。

 観客もリングサイドに集結し、自分の座席も何もない状態に。大仁田がばらまく水が記者席にまで飛びかかる異様なムードが後楽園ホールを覆った。最後は涙声で「本当に、本当に…バカヤロー!お袋、お袋、ありがとう!お前等、俺みたいな男に四十何年間、ありがとうよっ」と絞り出した。

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