井上尚弥「ファンのド肝を抜くような試合をしたい」タイガーカラーで米国デビュー

挑戦者ニエベス(右)とにらみ合う井上(撮影・小林信行)
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 「ボクシング・WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(9日、カーソン)

 9日(日本時間10日)に行われる6度目の防衛戦で米国デビューを果たす王者・井上尚弥(24)=大橋ジム=がロサンゼルス近郊のホテルで行われた記者会見に出席し、挑戦者のアントニオ・ニエベス(30)=米国=らスーパーフライ級のトップ選手と顔を合わせた。

 まばゆい光を放つチャンピオンベルトを肩から掛けて井上がひな壇の中央に立った。挑戦者ニエベスとのにらみ合い。5秒、10秒、20秒、…。互いの気迫がぶつけ合った。「調子は良さそうで、気合いも感じましたので気ぃ抜けないですよね。いい目つきしてましたね」。相手を見下す言葉は一切ない。井上が王者の風格を漂わせた。

 「スーパーフライ」と銘打たれた今回の興行。セミファイナルで登場する井上は、メーンで戦う元4階級王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア、帝拳)とWBC世界王者のシーサケット・ソールンビサイ(タイ)ら同じ階級のトップ選手たちと同席。「負けられない気持ちは出ましたね」。“スイッチ”が入ったことを明かした。

 約200人の報道陣、関係者が集まった会場。壇上からのスピーチは日本語で行った。「ここアメリカのファンの前で試合をすることにすごく興奮しております。またここアメリカで試合ができるように、あさっては人生のベストを尽くして頑張ります」。見る者の心をわしづかみにするようなパフォーマンスを約束した。

 スピーチの前には主催者から「特別なギフト」として、今回の戦いの場となるロサンゼルスを本拠地とする米大リーグ、ドジャースの前田健太投手のTシャツをプレゼントされた。背中に「18」と「マエケン」、胸の部分に直筆サインの入った1枚。「ビックリしました」と言って笑みをこぼした。

 3日にロサンゼルスに到着。ここまでの滞在を振り返り、「調整面も生活面も順調にきている」と言った井上だったが、日本を出発した後にチャンピオンベルトを忘れていたことが判明。手元に届いたのはこの日の会見の直前。事なきを得たが、「ベルトは自分にとってすべてじゃない。ベルトがあるからチャンピオンというわけじゃないんで、だから、これを言うとアレですけど、ベルトはおまけみたいなもの。そういう意識があるんで、ついつい忘れちゃうんですよ」と熱弁。「自分としてはなくても良かったんですけど、リング上とか形的にないと困るんで」と続けた。

 この日、井上がかぶっていた「TEAM INOUE」の文字が入ったオリジナルの帽子。「後援会の方に作っていただきました」。左側頭部には日本と米国の国旗が、右側頭部にはイニシャルの「N」と「I」を組み合わせたロゴが、そして、後頭部には「The Monster Brother」の文字が入っている。絆の強さを示すアイテムだ。

 つばの部分は鮮やかな黄色。「今回のカラーです」と井上。関係者によると、トランクスの色に合わせているという。赤のイメージが強いモンスターが、タイガーカラーで米国デビューの舞台に立つことになりそうだ。

 あす8日は計量の日。減量はリミットまで500グラムのところまできている。「ファンのド肝を抜くような試合をアメリカでしたい」。井上が集中力を高めていく。

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