村田vsエンダムの再戦消滅も…WBAの興行権入札指令を本田会長が拒否へ

 WBAは27日(日本時間28日)、ロンドン五輪金メダリストの村田諒太(31)=帝拳=が不可解な判定でアッサン・エンダム(33)=フランス=に敗れた世界ミドル級王座決定戦の再戦について興行権の入札を7月7日にパナマ市で行うと公式サイトで発表した。既に両陣営には通知済みという。しかし、帝拳の本田明彦会長(69)はこれを拒否する意向で、再戦が行われない可能性も出てきた。

 突然届いたWBAの興行権入札指令に本田会長は不快感を隠さなかった。「来週くらいから(相手陣営と)交渉を始めるはずだった。入札は100%やらない。パナマには行かない」と一刀両断だ。

 ボクシングの興行権入札は通常、両陣営間で金銭的、条件的な交渉が合意に至らなかった場合に行われる。有名なのは94年、薬師寺保栄と辰吉丈一郎のWBC世界バンタム級王座統一戦で薬師寺陣営が交渉権を落札した。

 交渉前に入札指令が出されるのは異例で、本田会長は「村田がWBA以外の団体とやるのを阻止するために(入札指令を)出したのではないか」との見解を示した。WBAのメンドサ会長から5月末に再戦指示が出ているが、「(指示の)拘束力は王者側にはあるけどこちらにはない。再戦するかどうかの結論は7月中旬には出るんじゃないか。(再戦を)こちらはあまりやる気はない」と、再戦がなくなる可能性があることも示唆した。

 実際に他団体で戦う選択肢もあり、本田会長は「(WBO王者のビリー・ジョー)サンダースから『9月16日にやってくれないか』という話があった。期間がないので断ったが、10月だったら英国でも行くところ」と明かした。またミドル級戦線の勢力図は、9月16日に行われるWBC、IBF統一王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)とWBA同級3位のサウル・アルバレス(メキシコ)の勝敗で大きく変わる可能性がある。

 この日、ジムで練習した村田は「交渉は会長にすべて任せているので、試合を決めてもらえれば誰とでも、どこででもやります」と話した。静かに準備を進めながら、世界再挑戦の決定を待つ。

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