井上尚弥、強打で父の右手首を破壊 V5戦に向けて更にパワーアップ

 真吾トレーナーが持つドラムミットへ強烈なパンチを打ち込む井上尚弥=横浜市の大橋ジム
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 「ボクシング・WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(21日、有明コロシアム)

 王者・井上尚弥(大橋)が12日、横浜市内のジムで練習を公開し、5度目の防衛に向けて順調な仕上がりを見せた。強打には定評のある井上尚だが、今回さらにパワーアップ。ミットに打ち込むパンチで、父親の真吾トレーナーの右手首を故障に追い込んだ。

 「1カ月前から痛みが出たんですが、きのうからミットが持てなくなった。体重が乗っているし、スーパーバンタム級くらいのパワーはあると思う」(真吾氏)とテーピングを巻いた右手首を触った。この日は弟で元東洋太平洋スーパーフライ級王者の拓真が代わりにミットを持った。

 井上尚は「パンチ力が上がっている実感はあります。今回、初めて試合1カ月前に合宿して下半身を強化した。帰ってから、下半身からの力の伝わり方が全然違う」と明かした。

 減量も順調だ。大橋秀行会長は「これまでの経験が生きている。食事の内容とか工夫しているようだし、とてもいい状態」と言う。試合9日前の11日までフィジカルトレーニングを続けたという井上尚は「減量がキツくて走れないということもなかった。汗のかき具合もいい」と充実した表情を見せた。

 挑戦者のリカルド・ロドリゲスはメキシコ系米国人で、井上尚が昨年5月に判定勝ちしたダビド・カルモナ(メキシコ)に敗れている。「タイプ的には似たり寄ったりと思うけど、突破口の左フックがラフ。頭を低く入って来るので気をつけたい。勝って当たり前という試合ほど怖いものはないので」(井上尚)と、万全の上に油断もない。

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