久保隼が新王者 採点リードなのに…セルメニョ棄権理由は「体力の限界」

 11回、レフェリーにTKO意思を伝えるネオマール・セルメニョ(左)
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 「ボクシング・WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(9日、エディオンアリーナ大阪)

 同級8位の久保隼(27)=真正=が11回5秒TKOで王者のネオマール・セルメニョ(37)=ベネズエラ=を破り、世界初挑戦で王座を奪取した。7回にセルメニョの左右フックを浴びてダウンを喫したが、11回開始時、王者が唐突に試合を棄権し、久保の勝利が決まった。

 前王者となったセルメニョは控室でぐったりと椅子に座り込むと棄権理由を説明した。「体力の限界。拳にもパワーが残っていなかった。私の決断でもあり、陣営の決断でもある」と悪びれることなく話した。

 11回開始のゴングに応じず、スツール(椅子)に座り込んだまま右グローブを外し始めた。レフェリーが陣営に確認し、試合終了を宣告した。拳の負傷かとも思われたが、「拳は痛めていない。傷は(久保のパンチでカットした)右目下のものだけ。この目の傷も気になった」と否定した。

 今回、15キロに及ぶ減量が響いたという。来日時に7キロほどオーバーしていたそうで、「日本の気候も合わなかったのかもしれない」と力なく話した。

 7回には左右フックの強打で久保からダウンを奪った。10回終了時のスコアは2人が95-94でセルメニョを支持、1人が95-94で久保有利となっており、諦めずに戦い抜いていれば、ベルトを守っていた可能性もある。棄権直前の10回も3人のジャッジ全員が10-9でセルメニョにポイントを与えていた。「ポイントのことは考えなかった。目の傷が気になり、疲労感も限界だった」。王者のプライドも、疲労に屈した。

 今後については「引退するつもりはないが、この階級で戦うことはもう考えていない。でも久保がチャンスをくれるというのなら、もう一度やるかもしれない」と話した。

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