内藤V2 棚橋の息の根止め「一つの時代が完全に終わった」

 「プロレス・新日本」(4日、東京ドーム)

 “制御不能男”が、宣言通りに新日本のエースにトドメを刺した。IWGPインターコンチネンタル選手権試合は、王者の内藤哲也(34)が棚橋弘至(40)の挑戦を退けて、2度目の防衛に成功。両者は互いに左膝を集中攻撃し、痛みをこらえながら激闘を繰り広げたものの、最後は内藤が必殺のデスティーノで棚橋を葬り去った。

 リング上に横たわる棚橋の胸に、内藤は拳を当てて、珍しく頭を下げた。棚橋時代の終焉、内藤時代の到来を思わせる瞬間だった。

 両者が左膝に集中攻撃を加え合う中で、棚橋がエプロンでのスリングブレード、場外へのハイフライフローなどの荒技を繰り出せば、内藤も雪崩式フランケンシュタイナーに棚橋の得意技フライングフォーアームなどで応戦した。

 25分を超えた激闘は、棚橋がハイフライフロー2連発で仕留めにかかったところを、内藤が痛む膝を立てて迎撃。そこから、スイング式裏デスティーノから正調デスティーノにつないで、棚橋を葬り去った。

 内藤にとって、棚橋はあこがれの存在だった。武藤敬司(現WRESTLE-1)の大ファンで新日本に入団し、武藤が新日本を去ると、武藤の付き人だった棚橋の背中を追いかけるようになった。

 06年の青森大会でのこと。若手だった内藤と、トップの仲間入りを果たした棚橋が控室で2人きりになった。棚橋から「早くオレのところまで上がってこいよ!!」と言われたことを、内藤は忘れることはなかった。

 そして、内藤は“棚橋になれなかった”と言われる状況を突き破って昨年、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを率いて大ブレークをしたのに対し、棚橋は昨年の1・4でオカダに敗れてからは不振を極める1年を過ごした。

 そして両者が対等になって実現した一騎打ち。内藤は、自らの手であこがれの人に「トドメを刺す」と宣言し、実行した。

 内藤はインタビューで「一つの時代が完全に終わった。さみしいけどね」と“棚橋時代”終焉を宣言。さらに、「彼にメッセージを言うなら、『早くオレのところまで戻ってこいよ!!』」と、10年前の言葉を返した。

 だが、そこに、この日に左眼窩底骨折から復帰したマイケル・エルガンが現れて挑戦をアピール。17年も新日本は内藤を中心に回るのか。

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