穂積 最強男と5・9神戸で再起戦
ボクシングの元世界2階級王者・長谷川穂積(34)=真正=が16日、神戸市内で会見し、5月9日に神戸市立中央体育館で29戦全勝21KOのWBC世界スーパーバンタム級9位、IBF同12位のオラシオ・ガルシア(24)=メキシコ=と再起戦を行うことを発表した。ノンタイトル10回戦をフェザー級で戦う。危険過ぎる強敵に進退をかけて臨む。
周囲の“限界説”を一蹴するには強敵でなければ意味はない。長谷川は「本物の世界ランカー。映像見たら危険な選手だけど、自分を強くする選手。自分はまだ強くなるし、心配している人に『長谷川、強いな』と思わせたい」と20代のころのように目をぎらつかせた。
ガルシアは29戦全勝21KOを誇る右の強打者で6連続KO中。2月の前戦では1回KO勝利を収めた。山下正人会長によると「ガードの上から手の骨を折った」。米への売り出しへ“ビッグネーム”の長谷川は格好の踏み台になる。会長すら二の足を踏んだ相手をあえて“指名”した。
「リスクがあり過ぎると、たくさんの人は言う。怖いけど、怖さが自分を強くする。やばいと思う時ほど自分はやってきた」
02年の熟山(みのりやま)竜一戦、03年の東洋太平洋初挑戦となったジェス・マーカ戦もそうだ。自身ですら「勝てるとも思ってなかった」格上を倒した。05年、世界初挑戦でも最強のウィラポン・ナコンルアンプロモーションを撃破した。
昨年4月、7回TKO負けし3階級制覇に失敗。進退を熟考した末、年明けに現役続行を表明した。「1年前に負けて一つの区切りになったけど、それ以上に大事な試合」と進退に関し腹はくくっている。「負けるかもしれない相手に勝つ。それが原点」とレジェンドは玉砕覚悟でリングに上がる。