ホーム > リング > リング最新紙面記事

“社員ボクサー”淵上作業着で金星宣言

日野自動車の作業着姿で王者の写真にパンチを放つ淵上誠=東京都日野市の日野自動車
【拡大写真はコチラ】
日野自動車の作業着姿で王者の写真にパンチを放つ淵上誠=東京都日野市の日野自動車

 「WBA世界ミドル級タイトルマッチ」(12日、ブロヴァルィー)

 “社員ボクサー”が大番狂わせを狙う。12日にウクライナ・キエフ郊外でWBA世界ミドル級王者ジェナディ・ゴロフキン(30)=カザフスタン=に挑戦する同級9位の淵上誠(28)=八王子中屋=が2日、勤務先の東京・日野市の日野自動車で会見。会社のバックアップを受け、無敗の強敵撃破に意欲を見せた。淵上の戦績は19勝(10KO)6敗、ゴロフキンは22勝(19KO)無敗。淵上は保持する東洋太平洋同級王座を返上する。

 自動車会社の社内で行われた異例の会見に、淵上は日野自動車の作業着姿で登場した。4月6日に試合を行ったばかりで到来したチャンスを「びっくりしたけど、言葉にならないぐらいうれしい」と喜んだ。

 日本人の同級世界戦の勝利は95年12月に竹原慎二が挙げた1勝のみ。日本人の海外世界奪取は92年4月の平仲明信が最後だ。9割近いKO率を誇る強敵との対戦にも「挑戦しなければ可能性はゼロ。勝てないと言われても、1%の可能性にすべてをかける」と、王座奪取に意欲を見せた。

 高校卒業後に就職した勤務先の支援は万全だ。これまでは完成車両検査の職場で8時から17時までの勤務をこなし、睡眠4時間でボクシングと両立してきた。だが世界が見えてきた3月中旬からは年休などを利用しボクシングに専念できるよう同社が配慮。「最高のコンディションを整えることができた」という。

 当日の現地には、同社が属するモスクワ、ウクライナのトヨタグループ関係者ら20〜30人が応援に駆けつけ、車、ホテルの手配も行ってくれる。

 昨年7月に結婚した翔子夫人はジュニアの世界大会に出場経験があるトライアスロン選手。淵上は「2人で世界に行こうと話していたら、本当に世界の話がきた。嫁はU‐23の世界選手権を目指していて、お互い勝負の年」と、夫人の挑戦にいい形でつなげるつもりだ。

(2012年5月3日)

ソーシャルブックマーク・RSS・google+1・twitter・Facebook

オススメリング写真ニュース






Copyright(C) 2011 デイリースポーツ/神戸新聞社 All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp