【聞きたい】この春、新卒社員として就職しました。会社は久しぶりの新卒採用で、採用はたった１人です。そのため身近に気軽に相談できる同期社員、若い世代の社員がいません。配属先も年上の先輩ばかりです。いいコミュニケーションを図りたいとは思っています。どうすればいいのでしょうか。（２０代・男性）

　【答えます】お悩みを伺って、自分も５０年前のデビュー当初を思い出しました。クールファイブに入った時は、年上の先輩ばかりでしたからね。

　社会人のスタートした時は、みんな同じような状況に置かれるものですよ。周囲の先輩も長年社会で生きて、この会社で年齢を重ねた人ですが、きっと最初はあなたと同じ思いを持ったと思います。

　また、あなたがこう思う一方で先輩たちも、どういう風に話していいか、考えているのですよ。先日もテレビで５０歳くらいのオヤジたちが出てきて「最近の若い社員は話すことが違う。気を遣うんだよね」と話していました。若い人以上に先輩たちが気を遣っているのですよ。

　新入社員のあなたに、先輩はきっと「どういう風に教えてあげよう」「こんな感じで接しよう」と思っているはずです。つまりお互い同じ思いなのです。そんな共通な部分があると思うだけでも、親しみが湧いてくるでしょう。それだけで近づいているのです。あとはどうこう考えずに自然にいけばいいのです。

　同期入社がいないということですが、逆にそれは利点です。周囲があなたに接してもらえる時間が多いということです。新入社員はこれからは勉強です。先輩が１０人いれば１０人の人生があります、その方たちの教えを１人で享受できる。社会人の出発点としてはすばらしい環境です。

　同じ会社に入った時点で、近い者同士です。先輩たちは同じ道を一緒に歩んでほしいと君を迎え入れているのです。だから構えず。あいさつだけはしっかりして。徐々にいい関係を作ってください。

　◆前川　清（まえかわ・きよし）長崎県出身、６９歳。「内山田洋とクール・ファイブ」のリードボーカルとして、６９年「長崎は今日も雨だった」でメジャーデビュー。「そして、神戸」「東京砂漠」などヒット曲多数。個性あふれる語り口でテレビ、ラジオ番組でも活躍中。