「時がきたら誇りを持って脇に寄れ」響いた樹木希林さんの言葉

 女優の樹木希林さん、「サザエさん」のフネさん役を務めていた麻生美代子さん…皆に愛された人が亡くなった。それぞれの立場で最後まで輝き、見事な生き様を見せてくれた。ハイヒール・リンゴも2人を偲び、希林さんの「時がきたら誇りを持って脇に寄れ」という言葉が心に響いたことを明かした。

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 「サザエさん」のフネさん役の声優・麻生美代子さんがお亡くなりになられましたが、92歳という年齢に驚きました。20代、30代でテレビアニメの創世期から携わった方なら、そんな年齢になっているんですね。アニメの登場人物は年を取らないけど、声優は生身の人間。だからどこかで交代しなきゃいけないけど、それが難しい。

 「ルパン三世」の山田康雄さんが亡くなった時は、物まねをしていた栗田貫一さんがうまく交代されました。でも物まねじゃなく、それぞれの声優さん独自の声でやるとなると…。この前、久々に「サザエさん」を見たら、とても違和感がありました。声優交代というのは、長寿番組だと仕方ないこと。だけど亡くなって代わるのは寂しい。だったら「ドラえもん」のように全員代わるのがいいのかな。

 今の若い声優さんはイベントなどで顔出ししていますが、昔の声優さんは表に出ない方が多い。容姿に比べ、声って最後まで衰えないんでしょうね。女優さんだと主役から脇に回ってというのがあるけど、声優さんは声が出なくならない限り、ビジュアル的に年を取ってもやれるからすごいと思います。

 先日、75歳で亡くなられた樹木希林さんは若い時から老けた役をされていました。1974年に放映された「寺内貫太郎一家」ではまだ30代だったのに、自分より年上の小林亜星さんのお母さん役。そのとき首にタオルを、手には手甲を巻いていたんです。老けた役をやっても手と首で若さがわかってしまう。だから「若さ」を隠して「老け」を演出されていたんですね。

 そんな希林さんがおっしゃった「時がきたら誇りを持って脇に寄れ」という言葉が私の心に響きました。いつまでも真ん中にいないで、時が来れば自ら後進に席を譲る。ふと芸人の世界をみると、今は上が詰まっていて40歳でも若手扱いになってしまっている。私たちハイヒールはありがたいことに若い頃からTVやラジオに出演させていただいてますが、それはその時代に女芸人の先輩が少なかったから。私たちの世代やその上の先輩・師匠方がまだまだ第一線で活躍されてるので、「若手」がさらに詰まってきています。だから私もいつか時がきたら、希林さんの言葉を胸に、後進に…と。だけど今はもう少しもう少し頑張らせてもらおうと思っています(笑)。

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