【にしたん社長の人生相談 西村誠司氏のお悩みクリニック】満員電車で痴漢扱いされモヤモヤしたら…
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
【相談】 満員電車で痴漢扱いのような状況になってしまい、どう対処すべきだったのか悩んでいます。鞄が重くて足元に置いていたのですが、途中から乗ってきた女子学生2人組が急に「足元の鞄には気を付けろって学校で習った」と大声で、まるで私を当てこするかのように話し出しました。女性の不安な気持ちは理解できるものの、周囲の視線も気になり、非常に不愉快でした。下手に声をかければ余計に誤解を招くと思い、そのままやり過ごしましたが、本当にそれで良かったのか分かりません。こういう場面では、どう振る舞うのが最も適切だと思われますか?
【回答】 ご相談ありがとうございます。満員電車という逃げ場のない空間で心ない言葉を向けられたときの居心地の悪さ、不安、悔しさ。その場で反論もできず、かといって黙って受け流すことにもモヤモヤが残る、本当につらい経験だったと思います。まずお伝えしたいのは、「あなたは十分に正しい行動を取っていた」ということです。
痴漢冤罪に関わる場面では、どんな“善意の行動”も誤解を生みやすく、こちらが説明をしようとした瞬間に状況が悪化するケースが少なくありません。特に満員電車では、周囲の“空気”が一気にこちらを不利にすることもあり得ます。あなたがその場を静かにやり過ごした判断は、極めて冷静で賢明だったと言えます。
では、同じような状況が再び起きた場合、どんな振る舞いが適切か。私が考えるポイントは次の3つです。
ひとつ目は「物理的なリスクを減らす工夫」を事前にしておくこと。満員電車では、カバンを前に抱える、肩掛けにする、棚に上げるなど、“周囲から見て誤解されようのない状態”をつくることが最も効果的です。残念ながら、冤罪は理屈より“見た目”の問題で判断されることが多い。だからこそ「誤解される余地を残さない」というのが最強の防御になります。
ふたつ目は「相手に反応しない」こと。今回の女子学生のように、こちらを指しているわけではない“風を装いながら”、実質的に当てつけるような言動をする人は一定数います。しかし、その場で言葉を返してしまうと「男性が声を荒らげた」という事実だけが残り、こちらが不利になる可能性が高い。あなたが選ばれた“沈黙”は、最もリスクの低い正しい選択です。
そして三つ目は、「自分を責めない」ことです。こうした出来事が起きると、「あのとき別の言い方があったのでは」「黙っていた自分が悪かったのでは」と反省する気持ちが湧きがちですが、あなたは何も悪くありません。むしろ、相手の不安や社会の空気を理解した上で、自分と周囲の安全を守る判断をしています。
電車内のトラブルは、正論よりも“巻き込まれないこと”が最優先です。あなたが取った行動は最適に近く、胸を張っていい。今後は、誤解されない持ち物の持ち方や立ち位置の工夫だけしておけば十分です。どうか今回の出来事を、自分の価値や品位に結びつけて責めないでください。あなたは落ち着いて、誰にも迷惑をかけずにその場を収めています。それがいちばん大人の行動です。
◇西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万6000人。





