じわじわ増える感染者…第8波の始まりか コロナとインフル同時流行の可能性を医師が予測

じわじわと新型コロナの感染者が増えていますが、現場では全例報告の義務がなくなっています。確定診断しても所轄の保健所への発生報告は重症化リスクの高い人のみ。若い人や基礎疾患がない人は報告不要です。

マスコミ発表の数字は全数ではなく、報告されていない低リスクの感染者を入れると実際はもっと多いはずです。第8波の始まりかもしれません。

さらに厄介なことに、最近のコロナは熱が出ません。だるいとか、頭が重いとか、念のため調べてみるとコロナだったという人ばかりで、私の診療所の発熱外来では、むしろコロナ陽性率は下がっています。逆にうちでは10月の1カ月間でB型インフルエンザが10人出ました。新型コロナは3人でした。地域差はあるでしょうが、同時流行の兆しがすでに見え始めています。

一般的には2つのウイルスが同時流行することは考え難く、これを「ウイルス干渉」と呼びます。あるウイルスが流行すると他のウイルスが流行しないという定説で、夏にRSウイルスが流行し、冬にインフルエンザが流行する、これもウイルス干渉です。このことを裏付ける論文もちゃんとあります。特にコロナもインフルエンザも呼吸器から感染します。ターゲットを同じくするウイルスが本当に同時流行するでしょうか?

実際にコロナが大流行した今夏も去年の夏も、本来なら夏に流行する手足口病やヘルパンギーナは劇的に少なかったのですが、一方ですでに今秋、コロナとインフルエンザに重複感染した症例報告が出ました。

正直なところ、何が何だかわからないというのが現状です。今のところ、コロナもインフルも流行はするけど爆発的にはならない、というのが、私の漠然とした「予感」です。

◆松本 浩彦 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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