【松本浩彦医師】子宮頸がん予防ワクチン?おやめになったほうがいい

 【Q】娘に子宮頸がん予防ワクチンを受けさせたいと思っていましたが、副作用の問題を報道などで見ると怖くなりました。(50代女性)

 【A】先にご質問にお答えします。「おやめになった方がよろしい」です。子宮頸がん予防ワクチンは、日本では厚生労働省より2009年に認可されましたが、報告される数々の有害事象から、4年後の13年、事実上の定期接種停止状態となりました。

 日本で子宮頸がんを予防するために、このワクチンが果たす役割は高くありません。サーバリックスは、高リスクに子宮頸がんを引き起こすとされる15種類のHPV(ヒトパピローマウイルス)のうち16型と18型のHPVに対して予防効果が認められています。ところが実際には高リスクHPVのうち、日本では52型と58型のHPVが高危険型であって、18型は自然治癒することも多く、小学生にまでサーバリックスの集団接種を勧奨する意義はありません。

 ガーダシルは「HPV6、11、16、18型」の4つに予防効果がありますが、これらに感染しても90%は免疫によって自然消失し、子宮頸がんに進展するのは0・1~0・15%、さらに感染してからがんが発症するまで10年以上かかります。日本人について言えば「HPV6、11、16、18型」による子宮頸がん予防ワクチンも効果は怪しいものです。

 サーバリックスの日本国内での臨床試験では、海外で報告があるにもかかわらず、死亡例や重篤なショックなどの副作用がみられなかったために頻度不明としています。また最新の研究でガーダシルは子宮頸がんの発生リスクを逆に45%増加させるという報告もあります。ゆえに「子宮頸がんワクチンは、無益であるばかりか有害である」として言い過ぎではないでしょう。

 日本で高危険型とされるHPVに対する予防効果が期待できないワクチンの接種を、厚労省はあたかも子宮頸がん予防の決定打のように集団接種まで行いながら、わずか4年で「積極的な投与推奨を中止するよう」通達を出しました。十分に検証されないまま、費用を自治体が負担することで多くの保護者が我が娘への接種を希望した、これは間違った世論誘導だったと言えます。近い将来、サーバリックスもガーダシルもこの業界から消える運命にあると私は思っています。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、(社)日本臍帯・胎盤研究会会長。

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