大社イレブン 重圧の中で奮闘!
大舞台で見せ場を作った! 4年ぶり12度目の出場を果たした大社イレブンだ。
29日にNACK5スタジアム大宮で行われた全国高校サッカー選手権大会1回戦の帝京長岡(新潟)戦の前半だった。背番号11番のMF・星野千凪(3年)が、先制ゴールかと思われるシュートを放ち、スタンドを沸かせた。ゴールを外した星野は頭を抱え、応援団も思わず立ち上がっていた。強豪校の波状攻撃に耐え、カウンターパンチを繰り出すかのようなシュートを放ったのだ。その後も敵のゴールを脅かすシュートを放っただけに、記者の脳裏に“ジャイアントキリング”というフレーズがよぎった。
大社高校と言えば、昨年の夏の甲子園で強豪校を次々と倒して93年ぶりのベスト8に輝き、“大社旋風”を巻き起こした。今度はサッカー部が、と期待させる攻撃だった。しかし、前半終了間際に帝京長岡に先制ゴールを決められ、後半には4度もゴールネットを揺らされた。
重圧はあっただろう。島根県大会は得点を許さぬディフェンス力を誇った。昨年の夏の快進撃も、大社の堅守が光った。今度はサッカー部が、という期待を背負って大会に臨んだにちがいない。かく言う記者も、見る者を感動させる“大社旋風”をどこかで期待していた。そんな大きな期待を背負う重圧の中で、大社イレブンは果敢に攻め込んで見せ場を作った。帝京長岡の怒濤の攻撃を正面から受け止め、最後まで諦めず戦い抜いた。
勝負の世界は必ず、勝者と敗者が織りなす光と影がある。スタンドに勝利の報告をする帝京長岡イレブンと初戦突破ならず肩を落としながら引き揚げる大社イレブンの姿があった。試合に出場したイレブン全員が3年生の大社。高校生活最後の試合だから、いろんな思いがこみ上げただろう。勝負の世界だけでなく、人生にも光と影はある。大切なことは、培ったチャレンジ精神を忘れないことだ。(デイリースポーツ・開出牧)




