男子ゴルフの石川遼 前澤杯で見せた“スーパーリカバリー”にプロの意地を見た!

 スーパーカーならぬ“スーパーリカバリー”を披露した。男子ゴルフの石川遼(33)=CASIO=だ。

 26日に行われた前澤杯第3ラウンド(千葉・MZ GOLF CLUB)の17番ホールの第3打。グリーン右の、約10メートル坂下のラフからショットを放ち、グリーンのど真ん中に落とす、“スーパーリカバリー”を披露し、ギャラリーを沸かせた。

 首位とは4打差だった。3日目だけに、ここでスコアを大きく落とすと、巻き返しが厳しくなる。眼下に公道が見えるような急勾配のラフ。グリーンの位置や距離感がつかみづらい。正直、優勝争いから脱落か、と思いながらカメラを構えた。ラフの雑草ごとえぐり取るようなリカバリーショットから放たれたボールは空高く舞い上がり樹木を越えていった。

 ギャラリーの歓声が響いた。坂を駆け上がると、グリーン奥のカップから約15メートルの距離に転がるボールが見えた。見事なパーセーブで逆転優勝への望みをつないだ。首位と5打差の19位タイで3日目を終え「勝つためにはビッグスコアが必要。最善を尽くす」と気合い十分。最終日は優勝争いとはいかなかったが、プロアマ大会から主役と言っていい活躍を見せた。

 ピンクの衣装に身を包んだラウンドガールがスコアボードを持ち、場内にはスーパーカーや盆栽が展示されるなど、新たな試みが施された同大会。カメラマンの私も、どこかバブル時代を想起させる演出を懐かしみ、楽しんだ。

 ジャンボ尾崎が活躍していた1990年代や石川遼が「ハニカミ王子」と呼ばれていた頃の大ギャラリーを知るカメラマンとしては、近年の男子ゴルフの人気低迷は寂しい。なんとしたいという思いを感じさせる同大会だけに、参加選手たちも多いに“ハッスル”し、し烈な優勝争いを展開したのではないだろうか。中でも石川遼の活躍、“スーパーリカバリー”にプロの“意地”を見た。男子ゴルフの“リカバリー”に期待したい。(デイリースポーツ・開出牧)

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