原英莉花 ファンの存在を忘れない、優勝スピーチで乾杯の音頭!

 前代未聞!メジャー優勝スピーチで乾杯の音頭。日本女子オープンゴルフ選手権(福井・芦原GC海C)で大会2度目の制覇を果たした原英莉花(24)だ。

 1日の第4ラウンドで菊地絵理香との激しいV争いを制し、大ギャラリーに囲まれた18番グリーンで優勝スピーチに臨んだ。マイクに向かって喜びを語ると「ファンのみなさん、今日はおいしいお酒を飲みましょう!ご唱和願います」と呼びかけた。興奮冷めやらぬ18番グリーンが、気の早い“宴会ムード”に包まれた。とびきりの笑顔を浮かべながらグラスを持ち上げるジェスチャーを見せると「かんぱ~い!」。歓喜の叫びが天高く響いた。

 撮影に集中していた私は、振り返ってギャラリーの反応は見ることができなかったが、きっと周囲は、ファンの笑顔で埋め尽くされていただろう。5月に腰の手術を受け、復帰8戦目での“復活V”だ。“涙のスピーチ”となっても不思議ではないが、最後まで涙を見せることなく、喜びと感謝を述べ、乾杯の音頭で締める。いつもファンの存在を忘れない“プロ魂”を改めて見せつけられた。

 乾杯の音頭で思い出した。同大会の歴代優勝者が集うチャンピオンズディナーは、前年覇者が乾杯の音頭を行うことが恒例となっている。2020年の同大会でメジャー初優勝を果たした原だが、2021年のチャンピオンズディナーはコロナ禍で中止となった。初めて出席した2022年は、前年覇者で同じ黄金世代の勝みなみの“要請”で乾杯の音頭を2人で行い、高校時代から憧れていた同大会への思いと、歴代優勝者へのリスペクトにあふれたあいさつが印象的だった。

 初制覇の2020年はコロナ禍で無観客開催だっただけに、大勢のギャラリーを集めた今大会の優勝は、メジャーVを実感したにちがいない。撮影者の私も、立ち会えて光栄だ。待望の“完全復活”に、乾杯!(デイリースポーツ・開出牧)

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