【野球】「私が校長先生です」試合前ミーティングで箱の上に立つヤクルト・池山監督 “ブンブン丸”旋風支える節目での大爆笑

 “ブンブン丸”旋風が止まらない。今季から池山隆寛監督(60)が指揮を執るヤクルトは、1997年以来29年ぶりの両リーグ20勝到達一番乗りを果たした。現在は首位・阪神とゲーム差なしの2位。開幕前の下馬評を大きく覆す快進撃が続いているが一体、なぜ勝てるのか-。キーワードは節目と大爆笑。笑わずにはいられない、その舞台裏に迫った。

  ◇  ◇

 異色のチームと言ってもいいだろう。グラウンド、ベンチ。至る所で選手、首脳陣の笑顔があふれている。歓喜の輪の中心で、朗らかに、活発に指揮を執っているのが池山監督だ。

 それを象徴するようなシーンが、舞台裏で起こっていた。今季ワーストの3連敗で迎えた4月28日。本拠地での阪神との首位攻防3連戦初戦は、9連戦初戦の節目でもあった。試合前のミーティング会場には選手、コーチ陣が集合。他球団ならば、緊迫した雰囲気が充満していても不思議ではない。登場した指揮官は、用意されたトレーニング用の箱の上に立った。

 まるで学校の朝礼のような状況。これから一体何が起こるのか-。全員が固唾(かたず)をのんで見守る中、指揮官がおもむろに言葉を発した。「私が校長先生です」。その瞬間、周囲から「ワハハ」と大爆笑が起こり、場の空気が和む。つかみはオッケー。本題に入った。

 「チームは連敗していますけど、今日から大事な9連戦が待っています。お客さんも神宮は多いので、今日からの神宮の試合で何とか連敗を止めたいと思いまして。心一つに、皆さんの気持ち一つに頑張っていきましょう!よろしくお願いします」。右拳を突き上げた指揮官は、台から降り「どうもありがとうございました」と一礼。盛大な拍手をした選手、首脳陣の表情には笑みが広がった。その日の阪神戦でヤクルトは才木を攻略して勝利を収め、連敗をストップさせた。

 当時の状況を、正捕手候補で高卒3年目の20歳・鈴木叶は明かす。「3連敗して、ちょっとチームがどんよりしている中で、雰囲気づくりというか、モチベーションを高く保たせてくれるというか。『もう一回やるぞ』という雰囲気をつくってくれて、すごくやりやすかった。監督が一番、元気あります。僕たちも元気を出さないと、と思います」。池山監督の信条は「人は気持ちで動かしていく」。“モチベーター”としてもチームをけん引した。

 開幕戦の試合前ミーティングでの訓示。将は、自身とチームの緊張をほぐすため突然、ヤクルト本社のテレビCMで流れる「ラジオ体操の歌」を熱唱し、大爆笑が起こった。節目での笑いは欠かさない。指揮官が昨季まで務めた2軍監督時代を支えた衣川1軍バッテリーコーチは言う。「若いチームなので、監督が『ちっちゃく、ちっちゃくなるなよ』と。勇気を持っていこう、チャレンジしていく、ということです」。笑顔と爆笑でナインの気持ちをほぐし、背中を押している。

 池山監督は就任当初から「笑顔」と「元気」をテーマに掲げ、自ら実践しているわけだ。今季ここまで21勝13敗のリーグ2位で首位・阪神とはゲーム差なし。大爆笑と活気に包まれた新生「池山スワローズ」が、今後もセ界の台風の目となりそうだ。(デイリースポーツ・伊藤 玄門)

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