那須川天心 テレビ出演批判も再起戦完勝で一蹴 アスリートのメディア出演は遊びなのか? 天心節全開の持論を語る

フアンフランシスコ・エストラダに勝ち、得意のポーズで喜ぶ那須川天心(11日)
 フアンフランシスコ・エストラダ(右)を攻める那須川天心=11日
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 ボクシングWBC世界バンタム級2位の那須川天心(27)=帝拳=が、プロ初黒星からの再起戦となった元世界2階級制覇王者フアンフランシスコ・エストラダ(35)=メキシコ=との挑戦者決定戦でTKO勝ちした。戦前は不利予想が上回り、一部では試合前のテレビ出演を疑問視する声も上がったが、着実に進化した姿で一蹴。「革命」を標ぼうする異端児は、9月にも実現する世界再挑戦に向けても変わらぬスタンスを強調した。

 人気者ゆえのジレンマか。再起戦の1カ月前までテレビ出演していることを疑問視する声が一部で出た。天心は「ボクシングを広めたいし(求められた)役割をやっているだけ」と語気を強めてスタンスを曲げなかったが、結果で黙らせた。

 記者が五輪担当時代も既視感のある光景だった。金メダルに輝くなど脚光を浴びたアスリートはメディアで引っ張りだことなり、知名度やSNSのフォロワーも増えて影響力が大きくなる一方、本業が振るわないと「テレビに出て遊んでいるからだ」と批判が寄せられることが少なくない。

 元柔道日本代表でプロレスラーのウルフアロンも21年東京五輪で金メダル獲得後にメディアで大活躍したが、全日本柔道連盟の代表選考会議で「ウルフは芸能人になったのか?」と公然と疑問符を投げかけられたことがあった。当時ウルフは休養中とはいえ、競技自体の知名度アップにも大きく貢献していただけに、業界内部からもそういった声が出てくることにさびしさを感じた。

 本業とのバランスなどの是非は当然あるものの、メディアやイベント出演はれっきとした仕事である。オファーがあるから出るのであって、プライベートで遊んでいるわけでもない。さらにプロの場合は興行を盛り上げるための“職務”の一環ともいえる。

 天心はラジオレギュラー番組も持ち、メディアを通して親しみやすいキャラを浸透させた。エストラダ戦後には「表に立つ選手は人間らしさ、感情を世の中に出していくことが大事。AIにできないことをやる。(メディア出演は)僕の国をつくるっていうイメージ。ファンも(真贋を)見抜ける人になってほしい」と持論を展開した。これはさすがに天心節が濃すぎてよくわからなかったが、地上波放送がほぼなくなったボクシング界にあって世間を巻き込める希有な存在だけに、今のスタンスのまま世界に挑むことこそが真骨頂だと思う。(デイリースポーツ・藤川資野)

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