【野球】プロ注目だった英数学館・藤本 最速149キロの逸材が選んだ進学の道 8月末に心境変化、そのワケは 恩師の母校・東海大へ
英数学館の藤本勇太投手(3年)がデイリースポーツの取材に応じ、4年後にドラフト1位でプロ入りする夢を明かした。最速149キロを誇り、昨夏は12球団のスカウトから注目を浴びた右腕。広島大会敗退後にプロ志望届の提出を明言していたが、その後、進路を熟考し、東海大への進学を決断。その背景にあった心境の変化や、今後の夢について語った。
逸材が選んだのは進学の道だった。12月下旬まで英数学館のグラウンドでトレーニングを続けた藤本は、すでに4年後の未来を思い描いていた。
「自分の選択に後悔はないです。4年後のドラフトで1位指名をいただいてプロに行くっていう目標は変わらない。ワクワクしてます」
最速149キロ右腕が注目を浴びるきっかけとなったのは3年春の広島大会だった。決勝の広陵戦で1失点完投勝利を挙げるなど、5試合連続完投をマークし、英数学館を初の県王者へ。中国大会にも初出場を果たし、中国地区の高校生投手の中ではトップレベルの評価を受けた。
夏の広島大会では3回戦で広島商に2-4で敗れるも、同戦には11球団のスカウトが集結。試合後、右腕の目に涙はなく、「ずっとプロに入る目標があった。ドラフト会議に向けてやっていきたい」とプロ志望届の提出を明言。しかし、最後までプロ志望届の提出者リストに藤本の名が並ぶことはなかった。
同校に入学した当初から、「5球団競合でドラフト1位」という目標を掲げ、過ごした2年半。「高卒でプロに行くという考えしかなかった」という右腕の心境に変化があったのは、8月末の2日間だった。
黒田元監督(36)と訪れたのは関東にある2校の強豪大学。指揮官は、「どこかのタイミングで大学野球の世界を見せてあげたいなとは思っていました。彼の選択肢を広げたかった」と狙いを明かす。初日はプロ野球選手を何人も輩出している名門大学へ。「グラウンド、ブルペン、室内練習場全てが初めて見るレベルのものだった」と藤本。高校では考えられないハイレベルな環境を目の当たりにして、この時点で気持ちは進学へ大きく傾いた。
2日目は黒田監督の母校でもある東海大へ。初日の大学に比べ、施設面では劣るが藤本は雰囲気に引かれた。「入学した時から黒田さんに『英数学館の色は東海大の色だよ』と言われていた。自分が成長できた環境に似たところで野球ができるのは魅力に感じた」。結果的に右腕は東海大への進学を決断。同大の長谷川国利監督(63)からも期待の言葉をかけられ、「1年春のリーグ戦からチームに貢献したい」と意気込んでいる。
黒田監督は藤本の能力に加え、人間性を高く評価する。「彼は“本当の練習”をできる数少ない人間。自分で考えて取り組んでいたのを一番近くで見てましたから。新しい歴史をつくってくれると思います。侍ジャパンに選ばれるような投手になりますよ」。藤本自身も今後の野球人生に大きな希望を抱いている。「素晴らしい環境で4年間、野球できるのが楽しみ。1年生からしっかり活躍できるように準備しています」。進学という選択は夢を遠ざけるものではない。藤本の挑戦は新天地で続いていく。(デイリースポーツ・高橋涼太朗)
◆藤本勇太(ふじもと・ゆうた)2007年8月28日生まれ、18歳。広島県庄原市出身。177センチ、76キロ、右投げ右打ち。小学4年から東城ファイターズで野球を始め、東城中では軟式野球部に所属。英数学館では1年春からベンチ入り。最速は149キロ。持ち球はストレート、スライダー、カーブ、スプリット。





