【野球】詰まって「自信が持てた」ロッテ・西川史礁の転機とは 6・22DeNA戦4安打以降の打率・325
ロッテの西川史礁外野手(22)が新人王に輝いた1年目のシーズンを振り返った。序盤は苦しみ2度の登録抹消を経験したが、6月以降に急上昇。最終的には規定打席に到達し、リーグ6位となる打率・281の数字を残した。ターニングポイントとなった一戦として、4安打した6月22日のDeNA戦(横浜)を挙げた。
少し考えて、口を開いた。ターニングポイントとなった試合を問われて、西川は「自信が持てた試合と言ったら、交流戦のベイスターズ戦」と振り返った。
「5番・左翼」でスタメンで出場した一戦。初回にバウアーから左翼フェンス直撃の三塁打を放つと、2打席目はフォークを右前に運ぶ適時打。3、4打席目は詰まりながら右前に落とす安打。全て異なる投手から、自身初の4安打の固め打ちで勝利に貢献した。
“転機”を感じたのは初回の会心の三塁打かと思いきや、こう話す。「『詰まってライト前に落とすというのが一番のバッティングだ』とサブローさんに言われていて、それが1日2本も出た試合だった」。意外にも詰まって右前に運んだ2本の安打だった。
2軍調整期間に、当時のサブロー2軍監督から掛けられた言葉は「詰まりを怖がるな」だった。当時はギリギリまで手元に引きつける打法に改造中。引きつけるあまり、詰まるケースもあった。むしろそれも奨励された。
その試合で詰まった安打はともにフルスイングしてのもの。「今年の1年間の試合で初めて、自分の感覚として『これか』と思ったところだった。それが出だしてから調子も上がってきましたし、そこが自分の分岐点というか、変わった試合だったなと思います」。師の教えを初めて体現したことで、道は開けた。
6月21日まで、打率・174と低迷。“転機”となった試合以降は325打数101安打、打率・325の成績。「『詰まりたくない』っていうのはこれまでの野球人生の中で一番だった」と言う。「(考え方を)逆転することでここまで成績が伸びた。新しい感覚ではありました」。逆転の発想、既成概念を捨てて新たな理論を受け入れた。
今季の成績にも「まだまだ満足できる数字じゃない」と言う。オフに入って「まだ基礎がしっかりしていないので、また一からバッティングをやっています」。今季の打撃を踏まえつつ、さらに基礎から積み上げることで進化したものをつくり上げる思いだ。「来シーズンもさらに成長した姿でチームに貢献できるように頑張っていきたい」。新人王を通過点に、さらなる飛躍を誓った。(デイリースポーツロッテ担当・鈴木創太)





