【野球】ロッテ 21歳・田中晴&20歳・木村 若き2人の本格化右腕の魅力とは? 建山投手コーチに聞く
最下位に低迷するロッテに、若き2人の本格派右腕がいる。3年目の田中晴也投手(21)と2年目の木村優人投手(20)。ともに間隔を空けながら先発として登板し、すでに欠かせない存在になりつつある。将来的に「2人でエース争いをしてくれたら」と期待する建山義紀投手コーチ(49)にその魅力を聞いた。
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21歳と20歳が、躍動している。ともに間隔を空けながらだが、田中晴は開幕から先発として登板。木村もプロ初先発した6月17日の阪神戦(甲子園)以降先発として起用される。その防御率は田中晴は先発陣でチームトップの2・48、木村は同2位の2・57(先発としては2・42)の堂々たる成績を残している。
建山投手コーチは「2人で競い合って、2本柱、マリーンズを支える両軸に絶対ならなきゃいけない。2人でエース争いをしてくれたら」と期待を寄せる。ともに直球が大きな武器の本格派右腕。建山コーチによると、その特徴は「全然違う」と言う。
田中晴については「ベース板でのボールの強さ。バッターが狙っていてもファウル、空振りが取れそうなストレート。これが晴也の一番の持ち味」と解説。木村に関しては「150キロの力強いストレートを投げるんだけど、両サイドに投げる精度がまだ2年目とは思えないものがある」と特徴を明かした。
ともにチームを背負う自覚を感じさせる言葉があった。
田中晴は6月末から4試合連続6回3失点以内のクオリティースタート(QS)を記録しながら白星がつかない時期があった。それでも「点を取ってもらった後に追い付かれた試合もあった。QSも大事ですけど勝てるピッチャーになるためには、リードしている状態で、自分の登板を終わらせたり、後ろのピッチャーにつなぐことがとにかく大事。そういう意味では、いいピッチングができていない」と自身への不満を口にした。
木村は2日の西武戦(ベルーナ)で勝利投手目前の七回2死から味方の適時失策で同点とされた。「野手の皆さんが点を取ってくれたリードを守れなかったですし、それを守るのが仕事。七回はエラーもあったんですけど、先頭打者にフォアボールを出してしまったことが失点につながっている。そこを反省しないといけないです」と自らを責めた。
建山投手コーチは「野手にエラーが起きた時に、並のピッチャーは『自分にコントロールできないことだから気にしない』ってなるのが普通。僕もそれでいいと思っているんですけど、彼らはそのエラーが起きても自分がカバーするぐらいの気概を持って投げる。その辺は立派だなと思います」とその自覚の高さを明かす。
まだ大学2、3年の年齢。プロで貴重な経験を積んでいる。「今は1軍のバッターと対戦してどういうものなのかというのを学んでもらってる。ゲーム後にいろいろ話を聞いていると、このバッターにこうすればよかったとかっていう反省は、すごく的を射たこと話す。考え方もしっかりした2人」。近い将来のダブルエースへ、進化を続けていく。(デイリースポーツ・鈴木 創太)
◆田中 晴也(たなか・はるや)2004年6月6日生まれ、21歳。新潟県出身。186センチ、92キロ。右投げ左打ち。投手。日本文理から22年度ドラフト3位でロッテ入団。プロ初登板初先発は24年6月1日・阪神戦で勝敗なし。プロ初勝利は先発した同年7月3日・日本ハム戦。
◆木村 優人(きむら・ゆうと)2005年6月1日生まれ、20歳。茨城県出身。184センチ、92キロ。右投げ左打ち。投手。霞ケ浦から23年度ドラフト3位でロッテ入団。プロ初登板初勝利はリリーフ登板だった25年3月30日・ソフトバンク戦。プロ初セーブは同年5月15日・楽天戦。





