【野球】ヤクルトが青柳を電撃獲得する理由 チーム待望のタフネス右腕 “再生”は可能か
ヤクルトは30日、米大リーグ、フィリーズ傘下のマイナー2Aレディングから自由契約になった青柳晃洋投手(31)と記者会見を31日に行うと発表した。31日にツバメ・青柳が正式に誕生する。最下位にあえぐチームが緊急補強で電撃的に獲得するのは、元阪神のサイドスロー右腕だった。
青柳は昨季終了後、ポスティングシステムで大リーグ入りを目指したが結果的にメジャー登板はなかった。今季、新天地では主にリリーフで、6月に降格した2Aでは先発投手として4試合に投げたが1勝2敗、防御率6・91と精彩を欠いた。マイナーで通算33回2/3を投げて45四死球と制球が安定せず今後の課題ではあるが、NPBとは違うボールを使った影響もあり、ベテランだけに慣れ親しんだ日本での“修正”は可能だろう。
何よりも今季、先発とリリーフの両方をこなしてきたことはヤクルトにとって魅力だ。チーム防御率はセ・リーグ唯一の3点台となる3・48でリーグワースト。先発投手は吉村、奥川、ドラフト1位・中村優、外国人のランバート、アビラら数はある程度はそろっているが、安定感を欠き、故障などの影響もあってローテを固定できていない。ブルペンを見渡しても今季14セーブの守護神・石山が上半身のコンディション不良で離脱中。“日替わり”による抑え起用が続いており、その影響もあってリリーフ陣の疲労も蓄積されている。
青柳はタフネス右腕だけに例えば先発ならば中6日の登板間隔できっちり回りイニングを稼ぐこともできる“特長”もある。しかもNPBで通算61勝をマークし21、22年には連続最多勝、最高勝率を獲得し、22年は最優秀防御率のタイトルを含めた投手3冠に輝いた。昨季までの2年間で不調にあえいでいる点に不安はある。ただ日本での実績や豊富な経験、先発とリリーフのどちらでも起用が可能な点も踏まえて、“再生”は可能と判断した上でヤクルトは、獲得を決断したのだろう。
かつての虎のエースが再び輝きを取り戻すことができるのか-。今季最長7連勝中だが、借金が両リーグワーストの19で最下位のツバメ軍団。大逆襲を目指すチームの“救世主”としての期待は大きい。(デイリースポーツ・伊藤玄門)





