【野球】なぜセ・リーグはパ・リーグ主催の交流戦で勝てなかったのか 両リーグでコーチ経験のある評論家が分析

 今年で20回目を迎えた交流戦は、ソフトバンクが12球団最多を更新する6年ぶり9度目の優勝を飾った。24日にロッテ-巨人の1試合を残しているが、パ・リーグが3年連続で勝ち越しを決めた中、パ・リーグの主催試合でセ・リーグは14勝38敗1分け(23日現在)と苦杯をなめた。なぜ、こんな極端な成績になったのだろうか。

 3日にパ・リーグの本拠地で開幕した交流戦。2戦目の4日にパ・リーグが6戦全勝し、パ・リーグの主催試合が2カード続いた15日にもパ・リーグが全勝を飾った。セ・リーグも本拠地開催だった8日に通算4度目となる全勝を果たしたが、全体で43勝62敗2分けの勝率・410。セ・リーグの主催試合では29勝24敗1分けと勝ち越したが、パ・リーグ主催試合では勝率・269という厳しい現実を突きつけられた。

 阪神、広島、オリックスと両リーグでコーチ経験のある岡義朗氏は「明確にこれが原因だと指摘するのは実際のところ難しい」としながらも、「やっぱりパ・リーグの方が裏の攻撃だし、DHのある試合に慣れているという点が大きいのかなと思う」と持論を述べた。

 岡氏は続けて「パ・リーグはDHありきの試合を続けてきてるから何も変える必要はないんだけど、セ・リーグはDHを使うことによって、これまでの打線の流れ、つながりというものに少なからずの変化、影響が出る部分がある。また、セの主催試合だったら、打順の巡りによって投手交代、それに伴って代打を起用したりと、局面が動く場面が多い。だけど、DH制だとそういった場面が少なく、どちらかというと、どっしりとした野球になることが多いから、それがセ・リーグの各チームを苦しめることになった可能性はあるね」と解説した。

 投手陣に目を向けると、セ・リーグ主催試合ではバッターが投手の場面でアウトをある程度の確率で計算できる一方、DH制では投手が一息つく場面が少ないがために投球を苦しくさせ、自らを追い込んでしまう可能性は否定できない。

 岡氏は「セ・リーグと違って、ピッチャーのところで休憩できないからね。どうしても相手打線に厚みを感じて、投球にメリハリがつけにくくなってる部分もあると思う」と指摘した。

 阪神・岡田彰布オーナー付顧問も17日にテレビ大阪で阪神-ロッテ戦の解説を務めた際、「(6連敗中だった)先週はビジターでしたからね。セントラル(のチーム)はDHの野球が下手ですよね。慣れてない部分があるから」と語っていた。

 パ・リーグ勢が上位を占めた今年の交流戦。それゆえ、首位の阪神は交流戦で8勝10敗と負け越しながらも、2位チームとは交流戦が始まる前の2・5ゲーム差から、3・5ゲーム差に開くという珍現象が生まれた。来季、セ・リーグの逆襲はあるのか。(デイリースポーツ・鈴木健一)

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