【野球】ヤクルト首脳陣が苦悩する“4番問題” 村上不在で苦肉“日替わり4番”は続くのか
最下位に低迷する今季のヤクルト。歴史的な貧打に苦しめられ、14試合連続2得点以下のプロ野球ワースト記録を更新した。絶対的な主砲・村上宗隆内野手(25)を故障で欠く影響はとてつもなく大きい。首脳陣が苦悩する“4番問題”を追った。
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伝統的に強打が自慢のヤクルトが、これほどまで打てずに苦しんだシーズンはあっただろうか。最下位に沈む中、今季は歴史的な貧打にあえいでいる。4日・西武戦(ベルーナ)では7連敗を喫し、14試合連続2得点以下という不名誉な記録を残してプロ野球ワーストを更新した。
大型連敗中、高津監督は苦い顔で「確かに苦しいですね。このメンバーでやるしかない。点を取らないと勝てない」と偽らざる本音を吐露した。最大の誤算は、メンバーに絶対的な4番を欠いている点だ。主砲・村上の今季出場は1試合のみ。上半身のコンディション不良で出遅れ開幕は2軍スタート。1軍復帰して即先発出場した4月17日・阪神戦(神宮)で再発し、翌18日に昇格からわずか1日で出場選手登録を抹消された。現在も2軍で調整を行っている。
「4番はムネ(村上)を中心に考えていました」と指揮官。だからこそ「なかなか4番もいない。落ち着いて固定したメンバーを組めていない」という事態に陥った。固定することができない“4番問題”。今季、4番はオスナ、サンタナ、山田、茂木の主力組に加えて内山、宮本、沢井をプロ入り後、初めて据えた。“日替わり4番”は継続中だ。
特に内山らプロで初めて4番に座り経験も少ない打者には「つないでほしい。(エンドランなどで)動かすことも含めた4番起用ということですね」。大きな穴を埋めるため悩んだ末に苦肉の策として起用。首脳陣は出塁率や得点圏打率などのデータや各選手の相性を考慮し、苦心して打順を組んできた。
現在、攻撃の中心は来日5年目で経験豊富なオスナとサンタナの助っ人コンビだ。大松チーフ打撃コーチは「村上という特別というか、軸になるような選手がいるんだったらあれ(別)ですけど。今で言ったらサンタナとかオスナが中心になり軸になって、どうやって編成していくか、というのは必然だと思います」と説明する。
チームとしては焦らず万全の状態にして村上を1軍復帰させたい考えだろう。絶対的な4番不在で苦しい戦いは今後も続きそうだが、我慢し粘り強く戦っていく。(デイリースポーツ・伊藤 玄門)