【野球】佐々木朗希のIL入りは必然の流れだったのか 日本で一度も1年間ローテ回れず 硬いマウンドも影響か 評論家が分析
「ドジャース-アスレチックス」(13日、ロサンゼルス)
ドジャース・佐々木朗希投手が右肩痛のため、負傷者リスト(IL)に入った。ロバーツ監督はIL入りが発表される前の試合前会見で「前回登板後に少し右腕に痛みがあった」と明かしていたが、長期離脱は避けられない見通しとなった。
ロッテからポスティングシステムを利用してドジャースに入団した佐々木は、ここまで8試合に登板して1勝1敗、防御率4・72。前回登板では日本でも経験のなかった中5日のマウンドだったが、打線が3回までに8得点する状況の中、五回途中で61球ながら、5安打3四死球5失点でマウンドを降りていた。
メジャー移籍後の全登板を見ている阪神OBの中田良弘氏は「東京ドームのメジャー最初の登板を除いて、真っすぐが全然走ってないよね。それにコントロールにも苦しんでる。ここまでの姿は日本では見なかったこと」と指摘した。
ここまでの8試合についても「バッターを抑える、抑えないというポイント以外に、ストライクを先行できるかなというところが焦点にもなっていた。得意のフォークで空振りも取れなくなっていたし、真っすぐも同じ。どうしたんだろう?といつも思っていたよ」と不安視していたことを明かした。
ロッテ時代には史上最年少で完全試合を成し遂げるなど、華々しい活躍を見せていたが、一体、佐々木に何が起こったのだろうか。中田氏は「まずはメジャー公式球への適応しなきゃという部分と、日本と違って硬いメジャーのマウンドが体に負担をかける形になっていたんじゃないか」と推測する。
日本では投げ終わりに左足一本で立つような姿が見られていたが、中田氏は「メジャーに行ってからは体が一塁方向に流れるような姿勢になっていた。これはマウンドの硬さが影響していたと思うし、フィニッシュが決まらないから、体にも必要以上の負担がかかっていた可能性も考えられる」と解説した。
中田氏は続けて「やっぱりロッテの時に一度も先発ローテを守り切れなかった。前回の中5日も少しは影響があったのかな。必然とまでは言わないけど、こうなることもどこかで想像というか、こういう結果になると、やっぱりかと思う部分もあるよね。当時、ロッテ首脳陣のやりくりが『過保護』と言われることがあったけど、実際のところは、それぐらいの間隔を空けないと、佐々木は故障してしまうような感じだったのかもしれない。だから、今思い返せば、ロッテはうまいこと回していたのかな」と語った。
日本でのMLB初登板を終えてから、米国では中6日を5度こなし、前回がプロ入り初の中5日だった。
「本人としてもケガはしたくなかっただろうけど、これは仕方がない。まだ若いんだし、これで終わりというわけでもない。どれぐらいの離脱期間になるか分からないけど、この時間を生かさない手はない。制球難を解消し、佐々木本来の直球を取り戻す貴重な時間にしてもらいたい」と中田氏は願った。(デイリースポーツ・鈴木健一)





