「彼は小さくなってしまった」巨人⇔ソフトBで電撃移籍の逸材2選手 新天地で「大化け」できるのか 内田順三氏の解説

 巨人・秋広優人内野手(22)、大江竜聖投手(26)と、ソフトバンク・リチャード内野手(25)の2対1のトレードが12日、両球団から発表された。非凡な才能を秘める秋広、リチャードの「大化け」はあるか。打撃の名伯楽、内田順三氏(デイリースポーツ・ウェブ評論家)が両選手の課題を解説する。

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 秋広は23年に10本塁打したようにもともと遠くへ飛ばす能力があり、変化球にも対応できる柔らかさ、あれだけのリーチがありながらインサイドもさばける技術を備えていた。楽しみな選手が出てきたと思ったが、さらに良くしようとフォームを変えたことがかみ合わなかったのか、近年の彼は小さくなってしまったよね。

 身長(2メートル)があるんだから小さく構える必要はないし、もっと背筋を伸ばして、ベースから離れて立っていい。リーチがあるんだから、両サイドのボールは捕まえることができる。パ・リーグはスピードで勝負するピッチャーが多いから高低のストライクゾーンを意識してほしいね。

 技術的なことで言えば、軸足となる左膝が落ちる点も課題と見ていた。あれではせっかくのパワーが半減してしまう。以前はもう少し伸びた状態で回転運動を使えていたはずだ。

 それと、気になっていたのはフリー打撃。春のキャンプで打っていた姿を見たが、彼は「レギュラーの打撃練習」をしていた。間合いを合わせてくれる打撃投手に対して、軌道を確認するように軽いスイングで気持ち良く打つのは、レギュラークラスの選手がやること。彼のような若い選手はもっとしっかり、振り抜くように練習しないと。アメリカのように、どんどん投げてくる打撃投手に対して立ち後れないように振っていく、そういった練習をした方がいいかもしれないね。

 一方のリチャードはファームで5年連続本塁打王。未完の大器とも言えるが、上では結果が出ず、それだけ長く下にいるということ。1軍で打ってこその長距離砲だからね。この移籍を機に、大胆に変えることも必要かもしれない。

 変化をするというのはフォームではなく、メンタル面、考え方を変えるというのも飛躍のきっかけになる。彼は今まで山川に聞くことが多かったと思うが、巨人では右の長距離砲に岡本がいる。岡本は山川とはまたタイプも違い、確実性もある。コーチもいいところを探してくれるとは思うが、岡本にも話を聞きにいくのがいい。もっとボールをコンパクトに、焦らずシンプルに打つことで、間を取れるようにもなるかもしれない。

 ソフトバンクでもチャンスはあったと思うが、巨人は岡本の離脱でサード、ファーストが手薄。すぐに使ってくれると思う。秋広も若いが、リチャードも25歳ならまだまだこれからだ。大きなチャンスだと思って、積極果敢にいってほしいね。

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