【スポーツ】フィギュア・島田麻央 エキシビションでトリプルアクセルを飛ぶ理由とは シニア大会を見据えて披露
フィギュアスケート女子で、世界ジュニア選手権3連覇の島田麻央(16)=木下グループ=が、4月20日に閉幕した世界国別対抗戦(東京体育館)のエキシビションに出演し、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を飛んだ。シニアでの戦いを見据えた島田の狙いとは何か。
シニア大会に出場できる2026-27シーズン、そして5年後の五輪に向けた決意がにじみ出る。島田が世界国別対抗戦のエキシビションで、トリプルアクセルに挑戦した。「少し暗い中でも飛べてよかった」。着氷させ、大きな拍手を浴びた。
転倒やけがのリスクを考えるなら、エキシビションで難度の高いジャンプに挑む必要はない。それでも島田がショートプログラム(SP)の曲をかけてまで、競技会のような構成を披露したのは、一つの理由があったからだ。
「ジュニア(の大会)はSPでトリプルアクセルを入れる機会がなく、入れるならシニアの全日本選手権が最初になってしまう。なるべくトリプルアクセルを入れたSPを練習しておきたかった。世界国別対抗戦のエキシビションは、リンクサイズも小さくならなかったので入れようと思った」
ルール上、ジュニアのSPでは単発でトリプルアクセルを実施することはできない。大会で経験を積む機会が限りなく少ないからこそ、シニアの舞台を見据えてエキシビションでの大技挑戦にこだわった。
来季の目標は、26年ミラノ・コルティナ冬季五輪の最終選考の場となる全日本選手権(12月)で結果を残すこと。年齢制限で同五輪への参加資格は持っていないが、五輪代表権を争うプレッシャーの大きい舞台を経験しておけば、自身が狙う30年冬季五輪の時に必ず生きてくるはずだ。
「五輪を目指すには、五輪選考の全日本選手権で自分の思う演技をすることが重要。(今年は)選考に関係ないけど、他の選手は五輪がかかっていて、いつもと違った雰囲気だと思う。その中で自分も納得のいく演技ができるようにしたい」
前回の同大会は坂本花織(シスメックス)に次いで2位だった。元世界女王の浅田真央さんにちなんだ名を持つ、才能あふれる16歳。5年後にフランス・アルプス地方で行われる五輪の頂点を見据え、この冬に会心の滑りをしてみせる。(デイリースポーツ・谷凌弥)
◆島田麻央(しまだ・まお)2008年10月30日、東京都小金井市出身。母が元世界女王の浅田真央さんのファンだったことから「麻央」と名付けられ、5歳でフィギュアスケートを始めた。小学6年だった21年3月、京都府選手権で国際スケート連盟(ISU)非公認ながら日本女子初の4回転トーループに成功した。愛知・中京大中京高の通信制に在学。




