【野球】戦力外通告を受けた選手の現在地 引退、現役続行、球団職員 ビシエド、中島宏之の去就は未定
プロ野球は2月1日に各球団が一斉にスタートを切ったが、その裏で戦力外通告を受けた選手達も第二の人生を再出発させている。
2018年度ドラフトで巨人から1位指名を受けた高橋優貴投手は、2月1日に28歳の誕生日を迎えた。21年に自己最多の11勝を挙げたが、わずか6年での戦力外通告となり、社会人野球・ミキハウスへの入部を決めた。NPB通算18勝左腕は入部に際し「先日の日本選手権の試合を見させていただき、このチームで野球をやりたいと感じ、その一員になれることをうれしく思います。都市対抗、日本選手権での優勝を目指し、日々チームの皆さんと練習に励みたいと思います」と話している。
19年度ドラフト3位で常総学院から巨人に入団した菊田拡和内野手(23)。腰のヘルニアなどで高校通算58本塁打の和製大砲候補がわずか5年で戦力外となった。12球団合同トライアウトを受験したがNPB球団からは声がかからず、高橋と同じくミキハウス入部を決めた。菊田は「1年目から貢献したい」と意気込み、東京ドームで開催される都市対抗に向けて「プロ時代にやったことがあるところ。戻りたい」と活躍を誓った。
同じく社会人野球での現役続行を選んだ選手には、広島・戸根千明投手(32)が日本新薬、岡田明丈投手(31)が明治安田、曽根海成内野手(29)、ヤクルト・尾仲祐哉投手(30)は、今季から発足したサムティ硬式野球部に新天地を求めた。
驚異的な身体能力を誇った日本ハム・江越大賀外野手(31)と西武・陽川尚将内野手(33)は古巣・阪神への復帰を決断した。両氏ともタイガースアカデミーのコーチに就任し、江越氏は6日の年賀式で「ドラフトで取っていただいたこのタイガースで、少しでも恩返しできるように、これから精いっぱい頑張っていきたいと思います」と誓っていた。
プロ野球で現役続行する選手もいる。ソフトバンクの小林珠維投手(23)、瀧本将生投手(21)、DeNA・高田琢登投手(22)はオイシックス新潟に、ソフトバンクの佐藤宏樹投手(25)、西武・鈴木将平外野手(26)は、地元・静岡のくふうハヤテへの入団を決めた。
ロッテ・菅野剛士外野手(31)は球団スカウトに転身。「選手としてゲームを楽しむ時間は終わりを迎えますが、千葉ロッテマリーンズの一員として、今後も仕事ができることに喜びを感じております」とコメントした。また、逆輸入選手として注目を集めた日本ハムの加藤豪将内野手(30)は、古巣の米大リーグ、ブルージェイズでフロント入り。自身のX(旧ツイッター)で「プロ野球選手としての現役生活を終え、新たなステージでも精一杯頑張ります!」と再出発への決意をつづった。
17年度ドラフト1位で巨人に入団し、戦力外通告を受けた後、23年オフにソフトバンクに育成選手として入団していた鍬原拓也投手(28)は球団1軍担当広報になり、「第二の人生も野球に関われるので精一杯頑張って行きます」と自身のSNSで報告している。
再出発の地を見つけられた選手がいる中、来日9年間で打率・287、139本塁打、549打点と活躍した中日のダヤン・ビシエド内野手(35)、通算2000安打にあと72本と迫っている中日・中島宏之内野手(42)は、現時点で今季の去就が決まっていない。(デイリースポーツ・鈴木健一)