【野球】DeNA一番の快足と評された投手の今 プロ野球選手のセカンドキャリアサポート&野球普及へ

 チーム1の快足と評された元DeNA投手の田村丈氏(31)は、野球普及活動のため多くの元プロ野球選手らとタッグを組む。一般社団法人「アスリートプロ」を設立し、プロ野球選手のセカンドキャリアをサポート。同チームに所属していた山本武白志氏(26)や元阪神の松田遼馬氏(30)、竹安大知氏(29)らが所属する。野球で切り開いた人生。次は野球で恩返ししていく。

 選手生活を終えて次の人生を考えた時、頭に浮かんだのは野球への恩返しだった。元DeNAの田村さんは一般社団法人「アスリートプロ」の代表として野球普及、プロ野球選手のセカンドキャリアサポートに励む。

 田村さんは2015年にDeNAの入団テストを受け、同年ドラフトの育成3位で入団。150キロ前後の直球を武器に2軍で結果を残すと、18年7月26日に支配下登録を果たした。同日に1軍登録され、8月1日の巨人戦(横浜)でデビューを果たしたが、1回を2失点。チャンスで結果を残せず、2軍で再調整することになった。

 育成からはい上がり、期待されていたが制球面が課題となった。投手として苦悩した中、50メートル走5秒6と当時チームトップといわれた脚力に、遠投110メートル超の強肩など身体能力の高さもあり、チームから野手転向を示唆された。だが、転向することなく19年に引退を決断。1軍での登板はデビュー戦の1試合のみとなったが「後悔はなかったです」と4年間のプロ野球人生に幕を閉じた。

 引退後はDeNAのジュニアスクールのコーチに就任も、身体能力の高さを知る社会人アメリカンフットボールリーグのイコールワン福岡SUNS(現PLEIADES福岡)から声がかかり、22年に選手として加入。「転向した時からアメフトは長くはできないと思っていました」と23年の8月に現在、代表を務める「アスリートプロ」を立ち上げ、同年12月にアメフト選手を引退した。

 「プロ野球選手としての経験は多くの人に伝えないといけない。若くして引退した選手は僕の他にもたくさんいる。その選手らに再び野球の熱を持ってもらいたいのと、子どもたちに伝える場所を提供したいという思いがあった」

 野球普及へ。アメフト時代に拠点としていた九州を中心に、元選手らに声をかけた。ほとんどの人が本業との兼任だ。プロゴルファーを目指す元DeNAの山本武白志氏や元ソフトバンクで同球団の野球振興部スタッフを務める高橋純平氏、元阪神の竹安氏は熊本ゴールデンラークスのコーチを務める。

 野球教室だけでなく、走り方教室なども開催。6月には野球を始めるきっかけになればと、Tボール教室も行う予定。「全国でやりたいなというのはあります」と田村氏。次世代育成へ、奮闘していく。(デイリースポーツ・井上慎也)

 ◇田村 丈(たむら・じょう)1992年11月20日生まれ、31歳。兵庫県出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。関大北陽、関学大を経て2015年度育成ドラフト3位でDeNA入団。18年7月に支配下登録。19年10月に戦力外通告を受け現役引退。NPB通算1試合で勝敗なし、防御率18・00。

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