【野球】支配下返り咲きへ、阪神のもう一人の佐藤の現在地 ファームで奮闘中の佐藤蓮

 阪神の育成・佐藤蓮投手(26)が背水の覚悟でプロ4年目シーズンに臨んでいる。2020年度ドラフト3位で入団。昨季から育成選手となったが、課題の制球に改善の兆しが見え和田2軍監督も覚醒に期待を寄せる。ファームで結果を積み上げ、残り5枠の支配下を勝ち取る意気込みだ。

  ◇  ◇

 チームの顔・佐藤輝に“輝”が付くのはもう1人、佐藤がいるからだ。同期でもある佐藤蓮がファームで奮闘中だ。

 「強いストレート、カーブ、フォークをストライクゾーンに投げられたらバッターを打ち取れるという感触はあります。確率は上がってきているので、そこをどんどん突き詰めていきたい」

 確かな手応えがあるのだろう。表情に充実感がにじむ。プロ4年目、育成2年目を迎え、今季は不退転の覚悟。ここまでウエスタン6試合で防御率2・89を残している。

 成長の跡を見せたのは、3月31日のウエスタン・ソフトバンク戦だ。三回から登板し、得意のカーブで二者連続の空振り三振を奪うと、四回も最速151キロの直球とフォークにカーブを交ぜて、2回を無安打無失点、無四球の快投を演じた。

 試合後、和田2軍監督は「佐藤蓮が収穫」と名前を挙げ「何年も制球で苦しんできてるけど、非常に落ち着いて投げられている」と評価。「結果も出ている。これが普通ぐらいになってくるとまた違うものが見えてくると思う。続けてほしい」と覚醒に期待を寄せる。

 オフは同郷の先輩・岩崎が静岡で行う自主トレに参加し、2軍・具志川キャンプでもキャッチボールの際に助言をもらった。「気にかけてもらっているので、結果を出して恩返ししたいし、自分自身もやらないといけない」。先輩に頼るだけではない。西勇ら制球力に優れる投手の映像と自身のフォームを比較して、改善点も探っている。

 「開幕前より自信が付いてきた。いざマウンドに立った時にいけるな、と。気持ちの部分でも今までとは全然違う」

 現在、阪神の支配下選手は65人で残りは5枠。佐藤蓮を含めて育成選手は計9人。今春1軍キャンプを経験した育成1位の福島(白鷗大)をはじめ、昨秋、岡田監督の目に留まった川原、左肘の手術から実戦復帰間近の高橋、ドミニカ共和国でのテストを経て入団したベタンセス、マルティネスもライバルとなる。

 「結果を出し続けていればチャンスはあるのかなと思っています。地道にやるだけです」。今年は勝負できる。背番号30から始まったプロ野球人生。130から再び2桁へ、剛腕がようやくスタートラインに立った。(デイリースポーツ・杉原史恭)

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