【ゴルフ】女子ゴルフ 日本を主戦場に海外メジャー制覇へ チーム美夢有の壮大な計画
女子ゴルフの国内ツアーは山下美夢有が2年連続年間女王に輝いた。最終戦のメジャー、ツアー選手権リコー杯を2連覇するなど、2年連続で年間5勝。今季も圧倒的な強さを見せた。
一方で7月以降、3試合に出場した海外メジャーでは全米女子オープン選手権が予選落ち、エビアン選手権は48位、AIG全英女子オープンが21位。優勝を目標に臨みながら結果を出せなかった。
父でコーチの勝臣さんは「グリーン周りとグリーン上が通用しなかった。例えば日本は砲台グリーンが多いが海外は逆。ピンに近いサイドに外すとボールが止まらずパーセーブできない」と振り返る。「アプローチが寄せられず、グリーンを狙うショットにもプレッシャーがかかった」と悪循環に陥った。
日本に多い砲台グリーンならパーオンできなくても左足上がりのアプローチが残り、比較的、寄せワンのパーが取りやすい。海外は左足下がりに加えて、振り抜きづらい芝質で、グリーンは硬く速い。それでも「リディア・コ(ニュージーランド)なんかはアプローチがすごい」とメジャー優勝経験者はそんなライからでも寄せてスコアをつくる。
彼女のような技術を身につけるにはどうすればいいのか。近年、日本女子のトップ選手がするように、米ツアーに本格参戦して経験を積むしかないのか。勝臣さんの答えは違った。
「日本に練習できる環境をつくる」。ヒントを得たのは今年、全米女子オープンが開催されたペブルビーチGLの隣にあるタイガー・ウッズ設計のパー3コースだ。
いわゆるショートコースにもかかわらず「グリーンがすごい。本格的」。形状やその周りのバンカーなどはトーナメントコースのよう。そこからグリーンとグリーン周りに特化した練習場の建設を構想し、すでに関西のゴルフ場関係者から助言を得るなどしている。
勝臣さんによると「食事が合う、合わないの問題もある」と簡単に日本ツアーを離れられない別の側面もあるが、日本を主戦場に海外メジャー制覇を目指すなんて夢のある話。米ツアー経由とは違ったルートで山下親子は頂上を目指す。(デイリースポーツ・足利 渉)





