【野球】阪神・加治屋 8月防御率0・00右腕の生命線は“沈む直球” 16年CSレアード対策要員で武器認識

 阪神・加治屋蓮投手(31)が8月は全7試合で無失点と好投を続けている。生命線に挙げる直球は一般的な投手とは異なる軌道を描き、その直球と変化球のコンビネーションが快投を支える。直球の特質に気づいた過去の裏話や、シーズン前に近本から受けた変化球の助言などが、投球につながっていると明かした。

 快進撃を続ける阪神の中で、加治屋の安定感が光る。チーム2位の43試合に登板して防御率2・20。8月は防御率0・00と安定感は抜群だ。

 右腕の投球を見てきた記者は、印象的だったことがある。打者が自打球になるようなファウルを打たされたり、明らかに捉えきれていないファウルを打ったりしていたことだ。加治屋はその理由をこう明かす。

 「僕の直球はツーシーム系、沈む系のボールなので。打者がボールの上っ面をたたくようなことが多いことがボールの特徴ですね」

 150キロ前後の動く直球は、対右打者の被打率・176。ソフトバンク在籍時の16年に、自身の投球スタイルを認識するきっかけがあったという。

 同年CSファイナルSで日本ハムと対戦が決まり、レアードが好調だったことから「フライを打つから、ゴロを打たせられる投手が欲しい」との理由から昇格した。右腕の直球はゴロを量産できると首脳陣が判断。「そこで自分はゴロピッチャーと知りました」。自分の武器を理解し、戦えるようになった。

 加治屋は「真っすぐがあるから、変化球が生きる」という考えを持つ投手だ。直球の投球割合が44・6%で一番多い。次いで25・7%を占めるフォークは全体被打率・093。直球と同じ腕の振りの変化球で打者を苦しめている。

 直球とフォークの印象が強い分、その間の球速帯を埋められる変化球も探していた。その時に近本から「カーブ、スライダーと遅いボールも使ってみたらどうですか」と意見をもらったそうだ。直近の試合では直球、フォークの割合が多いことを逆手にとった場面があった。

 10日・巨人戦(東京ド)。1点リードの八回1死一、三塁で登板し、中田翔と対戦。直球とフォークでカウント2-2とし、6球目は自らの判断で2ストライク時に5・2%しか投げていないカーブを選択した。打者の裏をかいて空振り三振。まさに、直球を生かした攻めを体現したワンシーンだった。(デイリースポーツ阪神担当・関谷文哉)

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