【野球】変わろうとしている「高校野球=丸刈り」のイメージ 尊重される多様性と自主性
「大会へ向けて髪の毛を刈って気合を入れるぞ!」。部員全員で丸刈りにする。十数年前に高校球児だった私が、当たり前のように行っていた大会前の恒例行事だ。「高校野球=丸刈り」。そのイメージは、多様性が重要視される時代と共に“脱丸刈り”に変化している。
先日、部員の頭髪の取り決めについて日本高野連が調査結果を発表した。「丸刈り」と答えた学校は26・4%で、5年前の76・8%から大幅減少。調査は今年4月以降に全国の3818校の加盟校に対して実施され、99・2%に相当する3788校の監督や部長から回答を得て分かった。
野球離れが進む中、時代に合わせて見直される慣習。髪形を自由にするということも、その一つだ。頭髪が競技に影響を及ぼさないのであれば、自由になるのは問題ない。ただ、髪形一つをとっても、統一することで選手らの気持ちを一つにできる要因になっているのではないかと思う。
香川西を春夏通算5度の甲子園出場へ導いた神戸学院大付・岩上昌由監督は「多様性を求めながら、自由な主体性を持つことも大事にしつつ、みんなで頑張るという。チームを結束させるのが、髪形なのか、他のことでもいい。みんなで足並みをそろえるということが大切」と話す。同校の髪形は自由だが、女子部員を除き、選手は全員が丸刈り。強制しなくても、同じ方向を向く中で、自然と現在の状況になっている。
試合に向けて気合を入れるため-。野球に集中するため-。丸刈りが強制ではない中、モチベーションを高めたり、一体感を出すための手段として取り入れている球児も少なくない。野球人口減少を少しでも食い止めるために、伝統を尊重しつつ、多様性や自主性など新たな時代の流れも受け入れられている高校野球。ただ、礼儀や協調性、忍耐力など、高校野球の魅力は変わることなく今後も受け継がれることを願う。(デイリースポーツ・井上慎也)




