【野球】岡田流「守り勝つ」“神”髄見た 中継プレーに明らかな違い ゲッツー確実に取れている

 阪神・岡田彰布監督(65)が就任当初から掲げている「守り勝つ野球」の神髄が、開幕から12試合で随所に感じられた。内野陣は取れる併殺を着実に成立させて、外野陣は春季キャンプから意識づけられた中継プレーで進塁を防ぐ。梅野隆太郎捕手(31)は「数字に見えないファインプレー」がチームの士気を高めていることを明かした。

 阪神の守備には「昨季まで5年連続リーグ最多失策」という不名誉なレッテルが貼られている。昨季86だった失策数は、今季12試合で5。ヤクルトの4に次いで少ないが、数字が劇的に改善されたというには早計だ。ただ、守備への意識は確実に浸透してきている。

 14日・DeNA戦(横浜)は好守を連発した。初回1死一塁から痛烈な打球を木浪が逆シングルでスライディングキャッチ。間髪入れず二塁へ送球し、併殺を奪った。二回1死一塁も左前打で三塁を狙った一塁走者を、ノイジーがストライク返球でアウトにした。

 11日・巨人戦(東京ド)ではキャンプから鍛えてきた中継プレーを発揮した。四回無死二塁。右飛でタッチアップした二塁走者を森下-中野-佐藤輝とつないで三塁タッチアウトに。いずれも勝ちにはつながらなかったが、試合を引き締めた。

 「岡田監督になって明らかな違いは、送球の高さなんですよね」。中継プレーの重要ポイントとして、こう明かすのは筒井外野守備走塁コーチだ。ミーティングでは「緩めることなくカットの高さに投げる」ということを、繰り返し伝えている。「そこに放るだけ、というのはやめよう。その先を射抜くぐらい強く投げていけ、と。後は内野手が判断するので」と内外野で共有認識を植え付けた。

 併殺崩れで一塁に走者を残すケースも少ない。馬場内野守備走塁コーチは「二遊間のゲッツーの割合がね、確実に取れているんで」と頼もしさを感じている。「難しいゴロをうまくさばいてゲッツーにしたり、流れを呼び込むようなプレー。そういうところは監督が掲げている野球ができている」とうなずいた。

 扇の要としてグラウンド全体を見る梅野も、ナインの守備意識の高さを実感している。「球際も捕れなくても飛び込む姿勢とか、そういうのもプラスに働いてるんじゃないかな。数字に表れないとこも」と分析。「進塁して1点取るのが野球なので、それを抑えてくれるのはバッテリーとしても助かる。見えるところ以外に、そういう守備はめちゃくちゃ大事」。先発、リリーフ共に強力な顔ぶれがそろう岡田阪神には、確かに守り勝つ野球がよく似合う。(デイリースポーツ阪神担当・丸尾匠)

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