【スポーツ】珍名ボクサー・デカナルド闘凜生 尚弥、天心の階級で成り上がり虎視眈々「でっかくなるど!」4・16必勝出陣

4・16次戦へ意気込むデカナルド闘凜生
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 ボクシングのスーパーバンタム級は前世界バンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)、格闘技界から転身し8日にデビュー戦を控える“神童”那須川天心(帝拳)らの存在で一躍、注目されている。千載一遇の好機に同級の日本6位・デカナルド闘凜生(とぅーりお)=26、六島=が珍名通りの“成り上がり”を狙っている。

 「注目される階級で存在感を出していかないと。井上尚弥選手は遠すぎてピンとこない。天心選手は試合をやれるならやりたい。強くて知名度もある選手なので、やれるんやったらやりたい。やる可能性は全然ある。夢のある階級、盛り上がっている階級で目立たないと」と、意気込みは半端ではない。

 強さはもちろん、なにわのボクサーなら目立ってナンボ。「関西弁で大きくなるぞは『でっかくなるど』でそれを文字ってデカナルド。トゥーリオは名前が凜生なので、サッカー選手で(元日本代表DFの田中マルクス)闘莉王と僕でも知ってる方がいて、響きがいいと思った」と命名の理由を説明した。

 “いろもの”ではない。父・良二氏も元プロボクサーで拳闘の血筋。浪速高-大商大と名門で主将を務めた。大学の3学年上には元世界2階級制覇の京口紘人(29)=ワタナベ=がおり「本当にストイックな先輩。一人で黙々とやっていた」と、背中を見て育った。

 大学では燃え尽きず、プロになるなら六島ジムと決めていた。中1からボクシングを始め、当時の六島ジムは“珍名ボクサー”の宝庫。“日本最多15文字”のジャンボおだ信長本屋ペタジーニ、最暴愚畷谷(さいぼうぐ・なわてだに)、香美の子岡村ケントキッドらが強烈なインパクトを残していた。

 「そういう人たちを見てきたから。(珍名の)先輩らも本気で練習していた。みんな優しかった。何より覚えやすいし、人に見てもらう以上、普通よりはいい。覚えてもらえる。六島に入って、もうすぐ14年。生きている半分が六島。六島にきたら(珍名を)付けたいと思っていた」。今は本名のリングネームが大半のジムで珍名の流儀を継承。“六島イズム”が心身に染みついている。

 「この名前で世界王者。この名前で大きくなる、ビッグになる」と夢はデカイ。ボクシング一本と退路を断ち3年間務めていた飲食店のアルバイトも辞めた。「(4月19日に)27歳になる。ボクシングはほかのスポーツと違って40歳、50歳までやれるもんじゃない。あと何年かしかない。あとでもっとこうしておけばよかったなと思って辞めるのは嫌だった。もっとボクシングでやれることをいっぱいやって、最後の残りの現役生活を頑張ろうと。悔いのないように」と、今はすべてをボクシングにささげる日々を送る。

 今年初戦は16日、大阪・住吉区民センターでセミファイナルの同級8回戦。ノーランカーの坂本佳朗(27)=本多=を相手に格の違いを見せたいところだ。戦績はデカナルドが8戦5勝(2KO)1敗2分、坂本が8戦6勝1敗1分。

 「僕がランキング1桁なので相手は失うものはない感じで取りにくる。でもここで負けていたらチャンピオンになれない。勝つのはもちろん、いい形で勝つ。(今年は)タイトルマッチを早くやりたいけどタイミングがある。(日本ランクは)まだ6位。いつでもできる準備をしておく。回ってきた時に一発で取れるように」。でっかく飛躍へ、勝負の1年となる。(デイリースポーツ・荒木 司)

 デカナルド闘凜生(でかなるど・とぅーりお)本名・桑畑凜生。1996年4月19日、大阪府出身。中1からボクシングを始め、アマチュア戦績は36戦25勝(4KO)11敗。2018年、デビュー戦は本名で行い2戦目からリングネームを改名。当初、大成奴(でかなるど)セガール闘凜生の案はJBC(日本ボクシングコミッション)に却下された。169センチ、右ボクサーファイター。家族は両親、妹、弟。

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