ロッテ 16年ドラ1佐々木千の逆襲 5年目で“本領発揮”の理由

 才能を開花させたというよりも、これが本来の姿か。ロッテ16年度ドラフト1位の佐々木千隼投手が、5年目の今季は安定感抜群の成績を残している。5年前、史上初となる外れ1位5球団で入団した右腕は今季25試合に登板し、防御率0・96(26日現在)。勝ちパターンを担うリリーバーとして、欠かせない存在となっている。

 これまでのシーズンは右肘、右肩痛など故障でシーズン通して、活躍できずに悔しい思いをした。「例年は、ケガが多かったですけど、今年は痛いところはないですし、健康に野球ができているのが例年以上にいいのかなと思いますね」と言う。昨年は春季キャンプで右肩を痛め、つまずいた。今年はどこも悪くない。普通に投げれば、そこそこの活躍をすると言われた逸材だけに、結果も驚くことなかれということか。

 ケガもあったが、今年は安定した成績を残せる理由は何か。そんな一面が垣間見えたシーンが、24日のソフトバンク戦の八回。同点の場面で登板した。不運な内野安打が2本続き1死満塁。ピンチで柳田を、直球で投ゴロ。栗原もシンカーで二ゴロに抑え、無失点に抑えた。ひとつはメンタル面での成長もあるという。「そんなに焦らなくなったというか。バタバタしなくなってきたのかなと思いますね」。

 さらに球速以上に相手バッターに体感速度を感じさせる直球と変化球に磨きがかかっている。「スピードよりも球が速く見えるようにとこだわってやっています。それは球が速いにこしたことはないですけど、速く感じてもらえるような球を投げたいなと思っているので」。柳田を打ち取った、差し込まれた投ゴロは球速以上のスピードを感じさせ打ち取った例だろう。

 桜美林大時代、53イニング連続無失点。多くの完封勝利を飾ってきた才に今季、さらに進化した投球をみせている。

 「上位とも差はないですし、1戦1戦、大事に戦って、一つでも多くの勝ちに貢献できるように」。マリーンズの勝ちパターンのリリーフとして、逆襲の一躍を担う。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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