【野球】元カープ小窪、新天地初打席でタイムリー NPB復帰へ「死に物狂いで頑張る」

 独立リーグ・九州アジアリーグ加盟の火の国サラマンダーズ(熊本)に入団した元広島の小窪哲也内野手(36)が、新たな野球人生をスタートさせた。5日に入団会見を行い、翌6日の大分戦では七回の得点機で代打出場。持ち前の食らいつく打撃で一塁への適時内野安打を放った。広島退団から約半年、NPB復帰に向けて大きな一歩を踏み出した。

  ◇  ◇

 いつものように膝を折るストレッチをして準備を終えた。大分戦の七回2死三塁。入団後、小窪が初めて打席に立った。はじき返した外角球は一、二塁間へ。しぶとく食らいつき、一塁への適時内野安打を決めた。NPB復帰へ、新たな挑戦の日々が幕を開けた。

 「球の見え方とか変な感じはしなかった」。実戦は広島時代の昨年11月11日・中日戦以来。約7カ月ぶりの生きた球にもしっかりと反応できた。

 勝利で終え、ナインとタッチを交わした。背番号19をつけた小窪もその輪の中で白い歯をこぼす。「みんなが一緒にやりたいと言ってくれた。打撃も教えてくださいとか。そういうのはテンション、上がります。こういう感じがほしかった。うれしいですね」。試合前の練習では初めて対面した若い選手から打撃指導を求められた。チームで野球をするという喜びを改めて感じた瞬間だった。

 昨年11月に広島からの指導者打診を断り自由契約を選択。元広島コーチの永田利則氏が監督を務めるMSH医療専門学校野球部の練習に参加しながら、NPB復帰へ向け体力と技術を磨いていた。

 5月下旬に熊本から獲得オファーが届いた。その後も複数の独立リーグのチームから獲得の意向を示されたものの、最初に声をかけてくれた同チームへの入団を決め、5日に入団会見に臨んだ。

 「野球人として試合をしたい。最終目標はありますけど、熊本で死に物狂いでチームの勝利に貢献できるように。若い選手もいますし、手本になれるように頑張りたい」

 NPBの定める新規選手の契約期限は7月31日。チームとは期間内にNPB球団から獲得の意向があれば、入団できる契約を結んでいる。神田康範代表取締役社長兼GMは「夢をつかんでほしい。声がかかればサラマンダーズのプライドを持ったまま羽ばたいていってもらいたい」と思いを語った。

 公式戦は週末に組まれている。小窪は「しっかり準備をして、次は最初から出たい」と力を込めた。単身で乗り込んだ熊本では洗濯などは自分で行う。夢を追いかけ、グラウンドに立ち続けていく。(デイリースポーツ・市尻達拡)

 ◆火の国サラマンダーズ 社会人野球の熊本ゴールデンラークスを母体に2020年に設立。今年、開幕した九州アジアリーグに参加する。本拠地は熊本市リブワーク藤崎台球場。監督は西武やソフトバンクなどで活躍した元捕手の細川亨氏。

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