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【野球】連敗中でもぶれない DeNA三浦監督の素顔

 小雨が降る中、番長の笑顔が返ってきた。

 4日の広島戦で初勝利の瞬間、DeNA・三浦大輔監督(47)の顔に笑顔が戻り、目の奥からは涙が流れそうに見えた。「泣いてないです。雨じゃないですか」ととぼけたが、口調、表情は今シーズン“イチ”だった。

 開幕し、連敗が続いても、三浦監督は連日取材に応じ続けていた。日に日に厳しい表情は増したが、決して選手を否定することは言わない。「監督の責任です」と己を責めた。キャンプからの取材で「選手とのコミュニケーションが大事」とよく話していた。グラウンドでは選手やスタッフとそんな姿がよく見られたが、それは報道陣ともだった。キャンプでは三浦監督との対面取材では休日を除き、言葉を交わしてきた。

 「元気の源はなんですか」。キャンプ初日、カメラマンから記者に異動し、慣れない囲み取材でテンポについて行けず、最後に飛び出した言葉だった。内心「やってもーた」と思っていたとき、番長は笑った。「源!?いっぱい食べて、よく寝ること。後は会話することかな」。

 私が野球だけの質問で終わったときは「今日はまともやったな~」とつぶやく。開幕2日前の必勝祈願の日、「今日がふざけられるの最後やぞ」と笑っていた指揮官。

 初勝利後に見た笑顔は、本当に久しぶりの笑みだった。試合後、指揮官は『元気の源』の一つである睡眠について話した。「寝たり、起きたり。熟睡はできなかった」とこぼした。

 監督としての船出は決していいものとは言えなかった。オフに梶谷、井納がFAで巨人へ。コロナの影響で外国人10選手が開幕に間に合わず、投手陣でも今永、東がリハビリで2軍スタート。新監督として開幕から6連敗(2引き分け挟む)は2リーグ制後ワースト記録。

 この状況にマイナスなことは一切言わなかった。指揮官は「若手にはチャンス。今の戦力で戦って行く」。これはキャンプから一貫してぶれなかった。選手を信じ、起用。選手たちも応えた。新人のドラフト2位ルーキー・牧(中大)や、1、2番で活躍する桑原、関根。梶谷の人的補償で入団した田中俊は、開幕戦で6打点をたたき出した。

 一方で良い事は良い、悪い事は悪いとはっきり指摘もした。投手の乱調は時に強い言葉も放った。苦労の末につかんだこの一勝は、三浦監督だけでなく、DeNAに関わる全ての人にとって忘れられない一勝になるだろう。

 きっとこの記事が三浦監督の目にとまれば「俺のことはええねん」と言うだろう。だが記者になって3カ月、1番取材をした監督・三浦大輔を知ってもらいたかった。

 「DeNAでデイリーの1面を書きます」。記者は三浦監督に宣言するも「それは簡単じゃないやろ」と突っ込まれた。簡単じゃないからこそ、目指す価値がある。三浦新監督と共に始まった記者生活。指揮官も選手も『優勝』だけを目指している。その姿をまだまだ追い続けていく。(デイリースポーツ・中田匡峻)

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