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【野球】ヤクルト石川、家族で戦いつかんだ今季初勝利!次は2勝目その先に200勝

 9月最終日に、ヤクルト・石川雅規投手(40)の今シーズンがようやくスタートした。開幕投手を任されて約3カ月。登板10試合目でつかんだ今季初勝利だ。その過程には、知られざる苦悩と支え続けた“チーム石川家”の存在があった。200勝へ向けた歩みが、再び静かに動き始めた。

 待ちわびた景色を、静かに目に焼き付けた。石川が仲間の輪の中へ、背中を押される。「みんなのなんとかっていう思いが伝わってきたので、僕もそれに応えられるように」。ようやく、笑えた。思い合う心が、374日ぶりの勝利に導いた。

 ベテランの織りなす業だ。130キロ台半ばの直球に、変化球をちりばめる。DeNA打線を相手に、5回2/3を投げ4安打2失点。19年連続での勝利をつかみ、球団史上4人目、生え抜きでは初の40歳代勝利というメモリアルなページを刻んだ。

 10試合目という時間は、難しさを知った日々でもある。「野球がうまくなりたい」と突き進んできた19年間。これほどの苦悩はあっただろうか。「もう勝てないんじゃないかって」。明るく振る舞う姿とは裏腹に、一人になればうつむく日もあった。「1つ勝たないと、2勝目がないからね」とシーズン最初の勝利を大切にしてきたからこそ、向き合う現実が怖かった。

 7月には上半身のコンディション不良で離脱。思わず、弱気な自分が姿を見せる。「もう辞めた方がいいのかな…」。そんな石川を支えたのが家族の存在だった。家に帰れば常に前向きに、明るく出迎えられることがありがたかった。「石川家として戦ってくれた。次は親父が頑張る番」。チーム石川家の大黒柱だ。戦う姿は見せたい背中であり、誇りでもあった。

 今年で40歳。どれほど自分が苦しくても、打たれた後輩たちに寄り添い、言葉をかける。その姿は変わらなかった。「打たれるのはいいじゃん、だってケガしてないんだよ?」。後輩たちに伝え、自分を鼓舞する言葉。打たれたら、その分だけ練習すればいい。石川はそうやって、19年間走り続けてきた。

 始まりの1勝は、通過点だ。「1つ勝てば変わるのかなって信じているからね」。見つめた景色は何も変わらなかった。通算172勝目。時はまた動き出した。これまでも、これからも。駆け抜けてきた日々を、振り返ることはない。(デイリースポーツ・松井美里)

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