【野球】メジャー流「オープナー」に潜む注意点 原巨人が採用方針示すも…

 巨人・宮本和知投手チーフコーチ(56)が過密日程となる後半戦に向けて、毎週日曜日を“オープナーデー”とする方針を示した。日本球界では昨季から日本ハムが本格的に導入を始め、今季は既にソフトバンクや巨人も実践している。コロナ禍の特別なシーズンでその必要性が高まる中、米メジャー流の新戦術にはいくつかの注意点があることを忘れてはならない。

 今季3度目の引き分けが決まった9日・中日戦の試合後、宮本投手チーフコーチが「オープナーもできるなという感触は得ました」と確信に満ちた表情で語った。当日は救援投手の宮国が先発して2イニングを投げ、三回以降は7人をつぎ込む“マシンガン継投”。1試合で球団タイ記録となる計8投手を登板させた。大きな収穫を手にし、同コーチは新たな投手起用プランを明かした。

 「次の日が休みで、日曜日というのはもう全員投入する形でいきたいと思います。オープナーをやりやすいところではありますね」

 2018年シーズン中に米メジャー・レイズが採用したオープナー制度。本来は救援登板する投手が先発して1~3イニングを投げた後、本来の先発投手をロングリリーフとして継投する起用法だ。日本球界では昨季から日本ハムが本格的に導入。同球団を担当していた記者は有効性を感じる一方、注意点も感じた。

 大事なのは本来の先発投手が打者一巡をメドに3イニング程度を投げ、その後を救援陣で小刻みにつないでいく「ショートスターター」と明確に区別することだ。昨季の日本ハムでは曖昧な部分があり、いつ出番がくるか分からないブルペンでは、必要以上の肩作りでリリーフ投手の蓄積疲労がさらに増加した。

 ブルペンリーダーの宮西はオフの契約更改交渉の席で「あやふやな部分があった」と球団に提言。球数制限や一定の登板間隔など、ルール化の重要性や改善点を訴えた。

 宮本コーチは毎週日曜日を「リリーフデーでもいいのかな」とも話しており、投手陣全体との意思疎通がより重要性を増してくる。日本ハムは昨年8月に月間20敗を喫し、優勝戦線から脱落した。9月には13連戦が待ち受ける今季の巨人。的確な活用術で連戦に次ぐ連戦を乗り越え、日本一奪還に近づきたい。(デイリースポーツ・中野雄太)

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