【野球】台湾プロ野球に日本プロ野球は続けるか 参考になる隣国のスタイル

 今月12日、台湾プロ野球(CPBL)が開幕した。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で米国の大リーグ、日本、韓国のプロ野球が開幕日すら定まらない中、無観客ながら世界最速。初戦となった中信兄弟-統一ライオンズ(台中洲際棒球場)は、延長十一回の大熱戦の末、4-1で統一が勝利した。

 台湾では、政府の早期の対応が功を奏し、感染拡大には至っていない。無観客での開催が続くが、英語でのインターネット中継も開始。初戦は世界合計で65万人近い視聴があったという。

 緊急事態宣言が発令されている日本では、依然として先行きは不透明である。17日、オンラインで臨時の12球団代表者会議が開かれ、5月中の開幕断念と交流戦の中止を発表。2005年に始まった交流戦の中止は、16年目にして初めてになる。23日の会議では5月の連休明けの会議で開幕日を決定したいとし、無観客で開幕する方向で進めることが確認されている。

 開幕するとなれば当然、情勢を踏まえた上で選手、スタッフらの安全面の整備が絶対条件。いまはまだ時期尚早と言えるが、隣国の開催スタイルは、十分に参考材料になるのではないか。CPBLは中央感染症指揮センターが作成したガイドラインに沿って防疫対策を整備。台湾政府から外出禁止令が出た場合や、選手らチーム関係者に感染者が出た場合にはリーグは中断されるという。

 スタンドをファンが包むスタジアムには、代え難いプロ野球の魅力が詰まる。ただ、たとえ無観客開催であっても、テレビやネット、ラジオ中継で十分な収入も見込める。なによりCPBL・呉志揚コミッショナーが「しっかり対策を練って開幕することによって、国民やファンに元気や勇気を与え、台湾プロ野球としての社会責任を果たしたい」と話したように、自宅待機が続く人々の希望になり得る。

 日本のプロ野球が、台湾に続けるか。韓国野球委員会(KBO)は、来月5日に無観客での開幕を決めたという。優先すべきはコロナの終息であり、皆に自覚ある行動が求められる。ただ、いまは球春到来が待ち遠しい。

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