【芸能】テレ東「誤爆」事件の仕掛け人を直撃 同局流リアルバラエティーの最新系を探る

 1月23日午前11時38分。1つのツイッターが“炎上”した。

 テレビ東京 宣伝部の公式アカウントに「1月24日、25日のロケスケジュールになります。詳細のちほどお送りいたします。 制作 小野」の文字とともに、本来は関係者のみが共有するロケのスケジュール表が投稿され、アンタッチャブルの山崎弘也らがローカル路線をロケする予定が丸裸となった。

 SNS上は「流出?」「誤爆?」と騒然。「あぁ、テレ東やっちゃったな…」の空気が漂う中、実は新番組の仕掛けだったことが明かされた。新機軸を打ち出したのは、5日放送の「ザキヤマが○時○分、そこ行きます!ロケスケ流出ふれあい旅」(後6・55~9・00)。話題を呼んだ超問題作のプロデューサーを直撃すると、テレ東らしい「リアル」の追求が見えてきた。

 番組は、ロケスケジュール、略してロケスケを意図的に“流出”させ、ロケ先に来た人々とふれあう異色バラエティー。今回は鬼怒川温泉周辺を走るローカル鉄道・野岩鉄道の全9駅を回り、秘境までやってきた一般の方に密着する。

 本来は起きてはいけない“流出”を逆手にとった企画を考えたのは、同局の人気バラエティー「家、ついて行ってイイですか?」を立ち上げた高橋弘樹プロデューサー。鬼才らしく「ヤバイことをやってみたかったというのが本当のところ。いけないことだけど実際にADが台本を忘れたり、流出未遂が起きたこともあって、いつの間にかやりたくなっていた」と振り返る。

 意図的な“流出”は、社外のみならず局内をも騒然とさせた。高橋氏が「言うと身内から(番組の仕掛けだと情報が)流出しちゃうから、一部の人にしか言っていなかった」と情報を統制した結果、ツイッターに名前が載った、もう1人のプロデューサー、小野裕之氏には「流出してるよ!!」と連絡が殺到。小野氏は「アップしてから1時間は電話が鳴り止まない状態でした。社内外から連絡がきて、正直、侮っていた。全社メールで社員に『落ち着いて下さい』と事情を伝えて、ようやく収まりました」と頭をかく。

 流出騒動に巻き込まれたのは出演者たちも同じで、ザキヤマを始め、ゲストの土屋アンナらにもたくさんの連絡がきたという。ロケは安全面を配慮し、通常より警備員を増加。前日に大きな話題となったことで出演者、スタッフともに高いテンションのままロケを終えたという。

 高橋氏の「家-」や来日外国人に同行する「YOUは何しに日本へ?」、電動バイクで地方を巡る「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」など、作り込まれたものではない、その場の「リアル」なふれあいをすくい取る生感がテレ東バラエティーの持ち味。

 小野氏は「作り込んだものよりも自然な番組作りが傾向的に好まれていると思うので、その中で今までなかったことをやりたかった。本来はいけない流出という“ハード”なものと、ふれあい旅という“ソフト”なものをかけ算したらどうなるのか。こちらもどんな方が来るかわからないですし、リアルな部分を楽しみにしてもらえたら」と“テレ東魂”の最新系に期待した。(デイリースポーツ芸能担当・古宮正崇)

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