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【野球】広島・庄司、10年間の現役に悔いなし 来季は裏方としてカープ支える

 広島・庄司隼人内野手(28)が戦力外通告を受け、今季限りでの引退を決めた。2009年度にドラフト4位で入団。10年間の現役生活で1軍出場はわずか22試合に終わったが、「悔いはありません」と全力を尽くした日々だった。今後は球団に残り、裏方としてチームを支えていく。

 10月中旬、球団から戦力外通告を受けた庄司の表情は、晴れ晴れとしていた。前日までマツダスタジアムでの秋季練習に参加。チームメートと一緒になってノックなどを受けていたにもかかわらずだ。それだけ毎日を全力で取り組んできたということがうかがえた。

 「ずっと勝負の年だと思って、一日一日を無駄にしないように練習してきた。カープで10年、死に物狂いでやらせてもらって、後悔はありません」

 1軍初出場は14年だった。5月24日のオリックス戦(ほっともっと神戸)の九回1死一、二塁で代打出場し、一ゴロに倒れた。「打席に立った時、しびれたというか、自分の体じゃないと思った」。5年目で踏んだ1軍の初舞台を懐かしそうに振り返った。

 2軍では10年間で791試合に出場し、586安打を放ったが、1軍では力を発揮できなかった。22試合の出場にとどまり、17年の最終戦、10月1日のDeNA戦(横浜)で放った右前打が最初で最後の安打になった。その年のシーズンをもって退団した石井打撃コーチ(現巨人)は、退団会見で印象に残っている場面を庄司のプロ初安打と言った。

 「あいつはキャンプで頑張るけど、いつも打ち上げのころになると『明日から2軍へ行ってきます』と言ってきた。初ヒットを見られたのが一番うれしかった。たかが1本だけど、僕にとってはされど1本。最後にいいものを見せてもらった」。石井コーチからアドバイスを受けながら、ひたむきにバットを振ってきたからこそ、庄司も「琢朗さんに『初ヒットを見られて良かった』と言ってもらったことは一生、忘れません」と話す。同コーチの思いが詰まった惜別の言葉は、今も胸に残っている。

 今季は春季キャンプを1軍で迎えて完走しながら、開幕は2軍スタート。若手と共に由宇で汗を流して1軍昇格を目指したが、一度も出場選手登録されることはなかった。

 「もう一度、バットを振って野球で勝負をしようとは思わない。続ける意思はありません」。現役引退を決断した。今後は、仕事内容は未定ながら球団に残る方向。努力を惜しまなかった男は、立場を変えて全力でチームをサポートする。(デイリースポーツ・市尻達拡)

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