【野球】広島球団・児玉さん 車いすの方も安心して観戦できるスタジアム作りに尽力

 広島球団の入場券部ホスピ・アミューズ課ホスピタリティチームに所属する児玉真季さん(24)は、車いすのお年寄りや身障者の人が安心して観戦してもらえうような環境作りを担当している。

 「カープは『おじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さん、お孫さんの3世代が一緒に野球観戦できるスタジアム作り』をコンセプトにしています。高齢の方や体の不自由な方も含めて、多くの方に観戦していただきたいと思って仕事に取り組んでいます」

 マツダスタジアムには車いす席が約140席あり、今季は新たに最大7人が入れる車いす専用のグループ席「ハートフルシート」も設置された。また、車いすの貸し出しもあるため、足の悪い人も球場内の段差を気にせず観戦に訪れることができる。試合の時は約10人の「ホスピタリティスタッフ」が手助けが必要な人をサポート。入社2年目の児玉さんは、これらの管理をすべて任されている。

 昨年は米国のピッツバーグとシカゴへ海外研修に行った。メジャー球団のスタジアムを見学し、そこで得た知識も日本に戻って生かしている。「ポスピタリティーが充実した本場のスタジアムを見学できたことは貴重な経験になりました」。

 また、球団運営の「ちびっこスポーツ教室」も担当している。未就学児の親子を対象にマツダスタジアムの屋内練習場を開放してボールを使ったり、走り回ったりして体を動かしてもらうもので、近隣の病院のトレーナーとも相談しながら、子供たちが楽しんでもらえる企画に知恵を絞る。今年は22日実施(1日2回)。12月も4日行われる予定で、「子供たちにスポーツの楽しさを感じてもらって、いずれは野球にも興味を持ってもらえればうれしいですね」。

 広島市出身で中学時代はソフトボール部、高校時代は水泳部、そして大学時代も野球サークルに入り、ずっとスポーツが身近な存在だった。大学進学で広島を離れたが、4年後、カープに“Uターン就職”。「今こうして自分が育った地元の球団で仕事ができることをとても幸せに感じます」。カープを愛する老若男女が安心して足を運べるスタジアム作りを目指し、これからも児玉さんの取り組みは続いていく。(デイリースポーツ・工藤直樹)

 ◆児玉真季(こだま・まき)1995年10月11日生まれ。広島市出身。同志社大を経て、昨年4月にカープ球団に入社。趣味はスポーツ観戦。バレーやバスケ、ラグビーなど分野は幅広い。

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