【野球】わずか4年の在籍でも…広島・横山弘樹に「悔いは全くありません」

 広島はシーズン終了後、7選手に来季の契約を結ばないことを伝えた。15年度ドラフト2位で入団した横山弘樹投手(27)もその1人。16年にプロ初登板初先発で初勝利を手にした右腕は、その後、右肩の故障に悩まされた。患部は順調に回復しており、11月の12球団合同トライアウトに参加する方向。NPBでの現役にこだわり右腕を振る。

 球団事務所で戦力外通告を受けた横山は報道陣に囲まれると、開口一番、球団への感謝の思いを言葉に変えた。わずか4年間の在籍だったものの、プロ初勝利や故障からのリハビリなど、かけがえのない日々を過ごした。悔いはない。すっきりとした表情だった。

 「カープでお世話になって良い思いをさせてもらいました。悔しい思いもあるけど、球団や全てにおいて『ありがとうございました』という気持ちしかありません」

 初登板初先発した16年3月30日の中日戦(ナゴヤドーム)で7回2/37安打3失点と好投し記念星をゲット。先発した新人では最速でのプロ初勝利だった。しかし、順調な滑り出しをしたかに思えたプロ人生は、シーズン終了後に右肩の関節唇を故障し、投げられない日々が続いた。

 「ボールを握るのが嫌だった時期がある。肩の調子が良くなっても、どうやって腕を振ったら良いのかわからなくなったこともありました」。それでもリハビリを手助けしてくれたトレーナーやコーチに背中を押され、一歩ずつ復帰への階段を上った。

 今季は万全の状態で迎えた。「少ないチャンスをものにしよう。支えてくれた人にためにも、もうひと花咲かせようと思っていた」。若鯉が台頭する中、限られた登板機会でのアピールを誓った。しかし、ウエスタンでは中継ぎとして11試合に登板し0勝0敗。1軍のマウンドにも3年連続で立てなかった。

 「悔いは全くありません。全力でやって充実感があった。ただ、その中でまだできるんじゃないのかっていう気持ちが出てきた」。右肩のコンディションは問題ない。11月12日に大阪市の信金スタジアムで開催される12球団合同トライアウトに参加する方針を固めた。

 通算成績は6試合で2勝2敗、防御率5・47だった。「1年目に2勝することができて、たくさんのファンの前で投げることができた。黒田さんやいろんな人に出会うこともできた。間違いなく財産になっています」。広島に別れを告げ、新天地を目指す。(デイリースポーツ・市尻達拡)

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