【野球】日本ハム・宮西が語った“栗山流オープナー”の功罪 チームに伝えたいこと

 2年連続3度目の最優秀中継ぎ投手賞に輝いた日本ハム・宮西尚生投手(34)が、“栗山流オープナー”のメリットとデメリットを赤裸々に語った。日本球界の常識を覆す新戦略を駆使したが、2年ぶりのBクラスに終わった19年シーズン。4年ぶりの日本一を目指す来季へ、絶対的リリーフエースがチームに伝えたいこととは-。

 18年シーズン中に米大リーグのレイズが本格的に採用したオープナー制度。本来リリーフ登板する投手が先発して1~3イニングを投げた後に、本来の先発投手をロングリリーフとして継投する起用法だ。今季の日本ハムは栗山監督がアレンジを加え、新戦略として積極的に取り入れた。

 先発として経験豊富な金子、加藤らをショートスターターとして打者1巡をメドに交代させ、残りのイニングをブルペンでつないでいく。8月には堀を中1日で2試合連続オープナー起用するなど、数々の奇策に選手たちも驚いていたという。宮西は「いい経験になったね」と振り返る。

 プラス面は「先発の登板間隔が短くできて、また1イニングずつマックスの力で全員が投げ続けることができる」と分析。例えば加藤は打者2巡目以降の被打率が高く、逆に1巡目の被打率が低いという特性を生かした。

 マイナス面は「野球は流れのスポーツで、毎回毎回交代しているとリズムがなかなかできづらい」と説明。「リリーフの登板数が増えるというところもあるし、先発の調整がしづらいという話を聞いたこともあった」。自身も初体験の戦法で後輩に助言を送ることができず、歯がゆい思いをしたこともあった。

 19年シーズンは65勝73敗5分けで5位。月間20敗を喫して優勝戦線から離脱した8月、奮闘を続けていた加藤と堀は蓄積疲労を考慮されて2軍調整中だった。宮西は「ある程度の決まり事をもっと明確に決めないといけない」と提言する。球数制限や一定ペースの登板間隔。「ブルペンで作る回数は例年以上に多かったし、結構大変かなというのを感じる部分があった」と改良の必要性を訴えた。

 今季50試合以上に登板した中継ぎ投手は阪神と並び12球団最多6人。左腕は「自分の体を理解してトレーニングを始めるのがすごく大事」と今オフの重要性を説いた。オープナー制度の是非を問うのはまだ早い。来季以降、投手陣が描く成長曲線の中に答えはある。(デイリースポーツ・中野雄太)

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