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【競馬】障害リーディングトップの森一馬が語る魅力と希望

 デビュー9年目の森一馬(26)騎手=栗東・松永昌=が障害界をけん引しつつある。今年は9月29日現在で重賞の小倉サマーJなど障害戦で計12勝。東西合わせて障害戦ではリーディングトップに立っている。「勝てない期間があって悩んでいたが、先輩にアドバイスをもらったりして、もう一度自分の騎乗を考えたりした。成績が出るにつれて障害が合いそうな馬に調教をつけられるようになったのが大きいと思う。しっかりと準備して、以前よりも自信を持ってレースに臨めている」と好調の要因をこう話す。

 障害戦の魅力については「人馬一体となって障害物を飛越して行くダイナミックさがあるところ。棒すらまたいだことがない状態から、騎手が教え込んでいってレースへと向かっていく。馬を育てていく楽しさがありますね」と口にする。

 近年は絶対王者オジュウチョウサンの存在もあり、一定の盛り上がりを見せているが、今年障害戦に騎乗した騎手は32人(栗東15人、美浦17人)。若手を中心に騎手が不足している。2013年1月には2人の騎手が落馬負傷し、代わりの騎手を確保できなかったため、翌日の騎乗予定だった2頭がいずれも出走取消になった。競走馬が体調不良等でやむなく出走を見送るケースは多々あるが、騎手を確保できなかったために出走取消になることはまずない。

 競馬学校を卒業する際は平地、障害の両方の免許を所得しているものの、なぜ障害戦に(特に若手が)挑戦しないのか。森は「やはり平地に比べると危険というイメージがある。教え込むのに付きっきりでやらないといけないところも原因のひとつだと思います」と話す。競馬を迎えるまでにかかる時間や落馬のリスクが大きいことなどが理由と言えよう。

 森はこの状況を変えようとしている。「年下の騎手に声をかけたりはしているが、まだちょっとという声は返って来ます。しっかりと調教していけば、(落馬等の)そういう危険は減る。乗る人が増えてほしいとは思いますが、自分でやろうと思わないとだめなものなので。魅力を伝えたりはしているけど乗るのは自分の意志ですから」となかなか現状は厳しいが、「僕も若手ですが、若手が乗ってくれれば盛り上がると思います。減量の期間も延びましたし、障害で斤量減は本当に有利。僕も減量の期間から障害を始めていましたから。チャンスは大きいと思う」とアドバンテージを口にする。

 「調教から得ることも多いですし、障害を跳ぶ時とゲートを出る時の感覚は似ているんです。馬の重心を感じて前へと進んで行く。そのへんが平地でも生かされているかもしれません」。障害戦での経験が平地のレースでも生かされている。

 今秋はデットーリやスミヨンなど海外の名手が数多く来日。当然のことながら、日本人騎手の乗り鞍が減少することが考えられる。乗り鞍が少ない若手を中心にもっと活躍の場を広げてほしいというのは記者の個人的な意見だが、いずれにせよ障害の人気向上には何かしらの起爆剤が必要だ。

 「競馬も馬術も好きですし、やりがいはあります。ひとまず(障害で)リーディングを獲って、注目してくれれば。注目度が上がればもっと乗ってくれる人が出てくれるかもしれないので」と森は障害をアピールしていく構えだ。平地での活躍が増えたとしても「障害をやめるつもりはない」と毅然(きぜん)とした態度を見せた。

 障害戦は平地に比べて騎乗手当てや進上金などは優遇されている。騎乗機会を求めて-。ひとりでも多くのジョッキーが障害挑戦を前向きに検討してくれることを願いたい。(デイリースポーツ・赤尾慶太)

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