【野球】4割打者誕生を期待させた助っ人・クロマティ氏が巨人の後輩に伝えたいこと

 後半戦に入り失速し、苦戦を強いられている巨人に、OBのウォーレン・クロマティ氏(65)がチームに助言を送っている。80年代、ジャイアンツの強打者として活躍。現役時代のチームメートだった原監督の命を受け、6日の中日戦からゲストとしてチームに帯同。練習中から身ぶり手ぶりを交え、若手選手を指導している。

 巨人ファンにとっては、強く印象に残る助っ人のひとりだろう。現役時代に原監督とは3、4番、あるいは4、5番でコンビを組み3度のシーズン優勝に貢献した。「最も日本で印象に残っているのは1989年の優勝の瞬間かな。0勝3敗から近鉄に勝って日本一になったのは、うれしかった」と振り返る。この年、クロマティ氏は史上初の4割打者誕生かと期待された。97試合を消化した時点で打率4割を超えていた。当時を「あの年は7月を終えても4割を超えていたね。今、考えてもよく打ったと思うよ。遠藤(大洋)、大野(広島)、郭(中日)といった球界を代表するエース級のピッチャーを打ってきたのは今でも誇りだよ」と懐かしそうに話す。そんな活躍を身近で見てきた原監督からも一目置かれている。

 昔のシャープな体つきから少し丸くなったが、巨人の球団ジャージーがよく似合う。短期間でチームに溶け込み、クロマティ効果はてきめんのようだ。主砲の岡本もアドバイスを受けていた。「基本的には右打者にも左打者にも同じことを伝えているよ。コンパクトに振ることが理にかなうよね」とクロマティ氏。後半戦直後は思うようにバットがでなかった時もあった主砲は8、9日の2試合で3本塁打と復調気配だ。

 巨人時代、初球から積極的に振りにいき、他球団に脅威を与えていたと思う。現代の日本の野球について「全体的にみてフルカウントになるケースが目立つよね。フルカウントという状況が多くなるとなかなか打率は上げづらいよ」と言う。巨人の選手たちにも積極性の大事さを説いている。

 現役時代の応援歌を口ずさむファンも多かった。「お前が打たなきゃ明日は雨、クロマティ」。的を射ていた歌詞。原監督と並び、クロマティ氏が打つか打たないかで、当時は勝敗が大きく左右されていた。シーズンは100試合を終え、優勝争いは佳境に入って来た。チームが涙雨のような結果にならないようにクロマティ氏は、古巣の優勝のため、惜しみなく後輩たちにアドバイスを送る。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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